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2016年11月のエントリー一覧

  • 【本の情報】 世界のエリートがやっている最高の休息法 [著]久賀谷亮

    ■瞑想で脳を休ませる しばらく前から「マインドフルネス」という言葉をよく目にする。アメリカのセレブたちがハマっているなんて噂も聞く。久賀谷亮『世界のエリートがやっている最高の休息法』は、タイトルにこそ謳われていないがマインドフルネスの入門書である。著者はアメリカ在住の精神科医。 脳科学の進歩により、脳の各部分がどのような働きをするのか、細かく分かってきた。その結果、ぼんやりしているときでも脳の一部...

  • 【本の情報】 地域分散型エネルギーシステム [監修]植田和弘 [編著]大島堅一・高橋洋

    ■新たな電力網、支える形を提示 表題の「分散型エネルギーシステム」とは、再生可能エネルギーのように、無数の小規模分散型の電源をネットワーク化した、双方向型の電力システムだ。これに対して「集中型電力システム」は、原子力や火力のような大規模集中電源で発電された電気を、大都市圏に送り届ける一方向型の電力システムである。再エネ増大にともなって、電力システムは「集中型」から「分散型」に移行するが、本書はそれ...

  • 【本の情報】 水俣の海辺に「いのちの森」を [著]石牟礼道子・宮脇昭

     水俣の海岸の再生を願う作家が、植物生態学の第一人者と対談。 石牟礼の家の対岸にある「大廻りの塘」は有機水銀などの毒に侵され、埋め立てられている。だが、むかしは海の潮を吸って生きる、アコウというガジュマルの仲間の木が生えていた。苗を海岸に植えたい、と石牟礼が言うと、土壌条件を整えたのち、水俣の海岸本来の木にシイ、タブノキ、カシと混ぜて潮水にも耐える森をつくっていけると宮脇。 東日本大震災の被災地沿...

  • 最近の電子出版事情を少し知る

    Facebookページに「Amazon Kindleで驚いたこと多くの作者が集まってギルドのように『文庫』を立ち上げて作品を作り上げていくこれは凄いなあまさに『みんなのすごい!』だなあ。https://note.mu/notes/n383580e55fb7」と書いて「転生魔王は愛を知る?! (夢中文庫プランセ) Kindle版」を紹介させていただいたのですが、ちょっと出版事情が気になって作者の亜朝あおんさんに問い合わせてみたら、お返事をいただきました。Amazon Kindl...

  • 【本の情報】 心が折れる職場 [著]見波利幸

    <h1>心が折れる職場 [著]見波利幸</h1>[文]山口文憲(エッセイスト)  [掲載]2016年11月20日■リスク回避へ、事例に説得力 その昔は神経衰弱だった。それがある時期からノイローゼになる。いまではそれをメンタル不調と呼んで「心が折れる」と文学的ないい回しもする。 では心が折れる職場とはどういう職場なのか。時代錯誤の長時間労働で新入社員を過労死させる会社? べつにそこまで極端な話にする必要はない。...

  • 【本の情報】 関東大震災朝鮮人虐殺の記録―東京地区別1100の証言 [編著]西崎雅夫

    ■丹念な調査で異常な実態を解明 著者は大学生時代に「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し慰霊(現在は追悼に改称)する会」発足に参加、以来一貫してこの実態解明に力を尽くしてきた。1923(大正12)年9月1日の地震発生以降、現実にはどんなことがあったのか、東京都内の公立図書館を回り、自伝、日記、各種資料などから関連の証言を集め、東京23区の全体像を描いた。 意外なほど多くの人たちが、この虐殺...

  • 【本の情報】 戦後民主主義をどう生きるか [著]三谷太一郎

    ■同盟は「戦争の導火線」と警告 「日本の歴史上の民主主義は、すべて戦後民主主義であったといっても言い過ぎではない」。戊辰戦争の「戦後民主主義」としての、福沢諭吉らの「公議輿論(よろん)」の要求。西南戦争の「戦後民主主義」としての自由民権運動や、日清戦争後の政党政治の活発化。日露戦争と第1次大戦後の大正デモクラシー。これらはいずれも、現在の「戦後民主主義」の先駆をなしたと三谷は評価する。 政治学者・...

  • 【本の情報】 明るい夜に出かけて 佐藤多佳子さん

    <h1>明るい夜に出かけて 佐藤多佳子さん</h1>[文]佐々波幸子  [掲載]2016年11月20日■人と交わり、居場所見つける 本作の主人公は20歳の男子学生・富山。人に触れたり、触れられたりするのが苦しく、トラブルを機に大学を休学中だ。お笑い芸人のラジオ番組を心の支えに、コンビニで深夜、バイトする。番組に投稿したネタの採用率が高い「職人」として知られた富山が、同じく「職人」の女子高生・佐古田や、バイト...

  • 【本の情報】 いたいコンサル すごいコンサル 究極の参謀を見抜く「10の質問」 [著]長谷部智也

    <h1>いたいコンサル すごいコンサル 究極の参謀を見抜く「10の質問」 [著]長谷部智也</h1>[文]清野由美(ジャーナリスト)  [掲載]2016年11月20日■シビアにテスト、起用する側の大事 何だか最近、周囲に「コンサルタント」が増えた、と思っていた。著者によると、前世紀の「欧米先進事例の輸入者」「アントレプレナー(起業家)」、ゼロ年代の「エスタブリッシュメント」を経て、今はコンサルが「大衆化」し...

  • 【本の情報】 薄情 [著]絲山秋子

    ■境界域に生きる自覚 今年度の谷崎潤一郎賞を受賞した絲山秋子の長篇小説『薄情』は、関東平野の北西端に位置する群馬県高崎市とその周辺が舞台だ。主人公の宇田川静生はこの高崎で生まれ育ち、地元の宮司である伯父の跡を継ぐために國學院大學を卒業して実家に戻り、今は神社を手伝ったりアルバイトに精を出して暮らしている。 30代前半とおぼしき宇田川は、他者との深い関わりを避けて生きてきた。人づきあいが悪いわけでは...

  • 【本の情報】 地上の星 [著]村木嵐

     戦国時代に小豪族五人衆のゆるやかな支配が続いていた天草だが、キリスト教が急速に広まり、豊臣秀吉の天下統一の波に呑みこまれていく。迎えた「天正天草合戦」(1589)では加藤清正と一騎打ちに向かう武将木山弾正、妻で天草一の美貌といわれたお京の方らが奮戦する。「武」の歴史だけでなく、布教のため、日本語とポルトガル語の辞書『日葡字書』作りに命をかける人々も登場する。少女時代から苦難が多かった「おせん」も...

  • 【本の情報】 塹壕の戦争 [作]タルディ

    <h1>塹壕の戦争 [作]タルディ</h1>[文]ササキバラ・ゴウ(まんが編集者)  [掲載]2016年11月13日■第1次大戦の不条理、兵士の視点で 第1次世界大戦を描いたフランス人の作品。最初の近代的な戦争といわれるこの大戦は、戦車や飛行機、化学兵器などが広く使われ、過去の戦争とは様相が一変した。前線では長い塹壕(ざんごう)が掘られ、多くの兵士が泥だらけの劣悪な環境でドブネズミのように暮らし、長期戦を続...

  • 【本の情報】 仕掛学 人を動かすアイデアのつくり方 [著]松村真宏

    <h1>仕掛学 人を動かすアイデアのつくり方 [著]松村真宏</h1>[文]勝見明(ジャーナリスト)  [掲載]2016年11月13日■なぜつい行動してしまうのか、解明 例えば、男子トイレの小便器。跳ね返りが最少になるポイントに「炎」の絵を描く。利用者はついねらいたくなり、結果、清潔さが保たれる。 人の行動を仕掛けによって変え、問題解決を図る。その仕掛けの原理を解明しようと、大阪大学准教授の著者が生み出した...

  • 【本の情報】 いま世界の哲学者が考えていること [著]岡本裕一朗

    ■世界はどうなるか 20代のころは、「現代思想」や「エピステーメー」などの雑誌を、「流行通信」や「ブルータス」と同じような気分で買い、最新流行の思想をチェックしていた。30年以上も昔のことだ。書店も思想・哲学の棚は熱気を発していた。ニューアカ・ブームなんていわれていた時代だ。 最近はどうなっているのだろうと思い、岡本裕一朗『いま世界の哲学者が考えていること』を読んでみた。世界の哲学の最前線について...

  • 【本の情報】 ヒトラーと物理学者たち―科学が国家に仕えるとき [著]フィリップ・ボール

    ■改めて問われる研究者の政治観 戦争における科学者の社会的責任は何か? この古くて新しい課題を、ヒトラー政権下でドイツの物理学者たちがどのように活動したかを題材として、綿密かつ明快に解き明かす。 著者は、科学雑誌『ネイチャー』の編集者をしていた人。科学界全般に対する広い視野と、今日的状況との関連を明確に意識していて、それが多くの類書にはない活(い)き活きしたリズムを生み出している。 資料はほとんど...

  • 【本の情報】 燈火 [著]三浦哲郎

     私小説の大家である作家の最後の連作短編集。自らに流れる血を肯定できず、苦しんだ物書きの主人公が築いた家庭の日常を描く連作『素顔』の続編になる。 50代半ばになった主人公は、妻と娘3人と東京で暮らしている。物語は、吐血した主人公が病院の個室で臓腑が破れる音を回想する場面に始まる。縁側の揺り椅子で妻がひっそりと泣いていたと聞かされ、妻に問いただすと、妻は夫の希望で染髪をやめたものの、知人に言われた言...

  • 【本の情報】 素手のふるまい アートがさぐる〈未知の社会性〉 鷲田清一さん

    ■ゼロから築くゆるく深い関係 問題が起きる現場で対話しながら考える「臨床哲学」を開拓した哲学者が、正面からアートを論じた。私たちの「存在を塞ぐもの、囲い込むもの、凝り固まらせるものへの抗(あらが)いとして」のアート。その担い手たちを追いかけた。 東日本大震災がなければ書かなかった本だ。震災は、確かなものに見えた都市システムのもろさを暴いた。電気、食べ物、資材を外部に頼っていて、非常時には原発も経済...

  • 【本の情報】 やり抜く力 [著]アンジェラ・ダックワース [訳]神崎朗子

    ■継続こそが力なり 米国内では「天才賞」とも称されるマッカーサー賞を3年前に受賞したペンシルベニア大学心理学教授、アンジェラ・ダックワース。彼女がその研究成果をまとめた『やり抜く力』はこう主張する。 どの分野であれ、人々が成功して偉業を達成するには、「才能」よりも「やり抜く力」が重要である──もともと才能があって努力すれば、他人よりも早くスキルが身につく。しかし、そこで終わってしまえば、達成はない。...

  • 【本の情報】 丸刈りにされた女たち―「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅 [著]藤森晶子

     第2次世界大戦下、連合軍によりフランス各地が次々と解放される。その折、対独協力者のレッテルのもと、女性たちが頭髪を切られ、丸刈りにされて復讐(ふくしゅう)やリンチを受けた。約2万人に及んだという。 著者によるとこの丸刈りは、ナチスドイツでも敵性人と関係をもったドイツ女性が対象になって行われたというし、実はこの歴史は中世から続いていたと解説する。戦争と人間の傷を調べようとフランスにわたった著者の目...

  • 【本の情報】 あなた 河野裕子歌集 [編]永田和宏・永田淳・永田紅

    <h1>あなた 河野裕子歌集 [編]永田和宏・永田淳・永田紅</h1>[文]後藤明日香  [掲載]2016年11月01日〈手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が〉 この歌を詠った翌日、歌人・河野裕子は世を去った。2010年8月、蝉の鳴く頃だった。〈雨?と問へば蝉声よと紅は立ちて言ふ ひるがほの花〉 本書は、夫で歌人の永田和宏、息子の淳、娘の紅が1500首余りを選んだアンソロジーである。...

  • 【本の情報】 どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法 [著]Eiko

    <h1>どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法 [著]Eiko</h1>[文]速水健朗(コラムニスト)  [掲載]2016年10月30日■“あなたは変われる”と誘惑 開脚するためのストレッチ法の本が大ヒット中。人々は、なぜ突然開脚に目覚めたのか。 脚がベタッと開いたからといって何かトクするの? 体が硬いことに劣等感を持つ人が増えてる? ちなみに本書は開脚ダイエットでも開脚健康法でもない...

  • 【本の情報】 住友銀行秘史 [著]國重惇史

    ■戦後最大の不正経理 こんなヤツらにカネを預けて大丈夫なのか? 読みながらつくづく思った。 國重惇史の『住友銀行秘史』は、イトマン事件について当時の住友銀行内から観察したノンフィクションである。戦後…http://book.asahi.com/reviews/column/2016110100001.html?ref=rss2from ブック・アサヒ・コム 新着記事 http://book.asahi.com/rss/rss2.rdf...

  • 【本の情報】 叫びの都市―寄せ場、釜ケ崎、流動的下層労働者 [著]原口剛

    ■「ドヤ街」という拠点も奪われて 大阪港の港湾労働に従事する沖仲仕たちの街、釜ケ崎。高度成長を裏から支えたこの空間に定位し、著者は矛盾に満ちた戦後日本の姿を浮き彫りにする。 港湾運送業の需要は、船の…http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2016103000008.html?ref=rss2from ブック・アサヒ・コム 新着記事 http://book.asahi.com/rss/rss2.rdf...

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