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2017年05月のエントリー一覧

  • 【本の情報】 字は1日でうまくなる!―持ち方で字はみるみるきれいになる [著]竹内みや子

    手・指・手首の動きを工夫してきれいな字を書くメソッド 誰でも、また何歳からでも字はうまくなると、「もちかた文字教室」講師竹内みや子氏はきっぱりいう。コツは筆記用具の正しい持ち方を理解して使いこなす点にある。竹内メソッドともいえるポイントは、まず書かれた字がシンプルな動きの組み合わせで出来ていることを知ること。たとえば、字の縦線はゆるめた手を再び締めるという要領で線を引く。一方、横線は手首の関節をゆ...

  • 【本の情報】 薬はリスク?―薬を正しく知るために [著]宮坂信之

    薬について患者がとるべき正しい姿勢を提案する 著者は我が国におけるリウマチ治療の第一人者であり、最近では医薬品医療機器総合機構の専門委員として健康被害の救済活動に関わってきた。その経験から、薬について自らの知識を整理し、患者の視点に立って知っておくべきメカニズムや情報をまとめたのが本書である。単に薬は害であると危険視することは極論とたしなめ、要は服薬とは大きなリスクを負うことでもあり、患者の側が偏...

  • 【本の情報】 大岡信の仕事 詩との出会い、言葉を読む感動 蜂飼耳

     先月亡くなった詩人・大岡信の著作を振り返り、考えたい。 『蕩児(とうじ)の家系』は、近代から現代へ、日本語の詩がどのような動きを示してきたかを考察する名著だ。原版は1969年の刊行。文語定型詩から口語自由詩へ、つまり、言文一致体が詩に反映されるようになる過程で、新たに生じた現象は〈詩の歴史における総体的な持続意識の稀薄(きはく)化〉だという。 継承ではなく、〈断絶〉の歴史。これを簡単にいえば、口語...

  • 【本の情報】 電卓四兄弟―カシオ「創造」の60年 [著]樫尾幸雄 [聞き手]佐々木達也

    ■世界に挑んだ「国産」の戦後史 【読む前】 え、カシオって「樫尾」っていう人の名字だったの?! 樫尾さんって四兄弟だったの? そんな知識しかない私でも興味深く読めそうな、四男・樫尾幸雄さんのインタビューをまとめた本。 【概要】 戦争中に8畳一間に8人家族で暮らしていた樫尾家。旋盤工をやっていた長男の忠雄氏が戦後すぐの1946年、金属加工の「樫尾製作所」を設立。次男の俊雄氏は発明家。三男の和雄氏は行動...

  • 【本の情報】 父と私 [著]田中眞紀子

    田中角栄の娘として生まれること、その人生は「歴史的証言者」たらざるを得ない。老境の今、著者はその役を果たした。 幼少期から現在までを五章に分け、自立するまでと自立後とを語っていく。父親には、著者をアメリカ留学にだし、結婚式では涙のスピーチを行い、自らの政治家生活の裏側も見せ、良質の日本人を育てようとの気くばりがある。著者の筆は客観的で冷静であり、結果的に日中国交正常化、日本列島改造論など田中外交と...

  • 【本の情報】 グローバル・ジャーナリズム―国際スクープの舞台裏 [著]澤康臣

     組織も国も異なる記者たちが連携する調査報道「グローバル・ジャーナリズム」が広がっているという。記者同士の連帯が巨悪を追い詰める光景は痛快だ。 アゼルバイジャンでは携帯電話会社に絡んだ大統領一家に流れ込む謎の金脈を現地とスウェーデンの記者が追う。アフリカ南部のダイヤモンドを巡ってはイタリアンマフィアと現地の政治家の癒着をイタリア、アフリカ各国の記者連合が白日の下にさらす。そして、世界中から400人...

  • 【本の情報】 小説も料理も適量って難しい 柚木麻子「BUTTER」

    作家、柚木麻子さんの新刊『BUTTER(バター)』(新潮社)は、首都圏連続不審死事件をモチーフにした長編小説だ。法廷やブログで被告が見せた欲望を抑えない生き方は、世の女性たちを戸惑わせた。「被害者の家族や周りの女性が気になって書き始めた」という。 婚活サイトで知り合った複数の男性から金を奪い、殺害した罪に問われた女。週刊誌記者の里佳は拘置所に通い、インタビューを重ねる。里佳の取材は、被告が通ってい...

  • 【本の情報】 Artiste(1) [作]さもえど太郎

    ■パリの料理人の滋味あるドラマ 素人料理やニッチな題材、食べる側にスポットを当てた作品が乱立する食マンガ界にあって、古典的なプロの料理人の世界を描こうとする本作は逆に新鮮。しかも舞台はパリという王道の選択だ。 主人公は、有名シェフの店で働く気弱な青年・ジルベール。常人離れした味覚と嗅覚(きゅうかく)の持ち主だが、とある件でシェフの逆鱗(げきりん)に触れ、雑用係に回されてしまう。本当は料理が大好きなの...

  • 【本の情報】 〈マンガ今昔物語〉第81回 「写楽と和登サン」が現代の高校生に!

     しばしば指摘されるように、少年誌で熱血スポ根マンガが盛り上がった1970年前後は手塚治虫の暗黒時代だった。「マンガの神様」とうたわれた手塚も決して万能だったわけではなく、少年誌の王道であるスポーツマンガが描けないという弱点を持つ。当時の手塚は「時代遅れの大御所」と見られ、特に少年誌からは声がかからなくなっていたという。 ところが高度経済成長期が終わった辺りから、手塚は「週刊少年チャンピオン」の『...

  • 【本の情報】 道徳教育 非論理の押しつけ、抗う道を 木村草太

     「道徳は大事ですか」と聞かれて、否定する人はいないだろう。しかし、具体的な場面において、何が真に道徳的行動なのかと考えると、道徳とは何なのかがたちまちわからなくなる。 例えば、「我慢が大事です」、「目上の人を尊重しましょう」と言われれば、その通りだと思わなくもない。しかし、ブラック企業に食い物にされた若者の不幸を耳にするにつけ、「我慢せずに労働者の権利を主張しましょう」、「目上の人にもおかしいこ...

  • 【本の情報】 夜の谷を行く [著]桐野夏生

    ■連合赤軍、女性たちの理想は… 小学3年だった1971年7月、栃木県那須で食べた森永のバニラアイスの味を、私はいまも記憶している。その記憶は、本人にとっては絶対的であり、他者は反駁(はんばく)できない。「あなたの記憶は間違っている」とは言えないのである。 本書は、かつて連合赤軍に属していた架空の女性、西田啓子を主人公とする小説である。啓子もまた、1972年2月、群馬県の活動拠点(山岳ベース)から市街...

  • 【本の情報】 双蛇密室 [著]早坂吝

    緻密(ちみつ)なロジック、おバカなトリック、エロが一体となった早坂吝(やぶさか)のデビュー作『○○○○○○○○殺人事件』は衝撃的だった。同書に初登場した援交探偵らいちシリーズの新作は、援交の客・藍川の過去に絡む二つの密室が描かれている。 かつて藍川の母・誉(ほまれ)と内縁関係だったSM作家が密室で殺された。作家にも、同じ部屋で倒れていたが一命をとりとめた誉にも蛇に噛(か)まれたような傷があるも、雨でぬかる...

  • 【本の情報】 池上冬樹が薦める文庫この新刊!

     (1)『アーサー・ミラー4 転落の後に/ヴィシーでの出来事』 アーサー・ミラー著 倉橋健訳 ハヤカワ演劇文庫 1620円 (2)『宝を探す女』 逢坂剛著 角川文庫 734円 (3)『ナオミとカナコ』 奥田英朗著 幻冬舎文庫 832円 ◇ 『存在感のある人 アーサー・ミラー短篇小説集』(早川書房)でミラーの小説家としての才能に驚き、改めて戯曲集を読んでいるのだが、(1)の「転落の後に」の味わいは小説に...

  • 【本の情報】 (オススメ 編集部から)日本の近代を築いた本

     幕末から現代まで、時代と切り結んだ出版物を紹介する図鑑『日本の時代をつくった本』(WAVE出版、9720円)は刺激的だ。本の解説に加えて時代背景が解き明かされているので、社会史・文化史・思想史としても楽しめる。 例えば、こんな具合だ。1872(明治5)年の『学問のすゝめ』は、「文明への信頼と渇望が生んだ」。1925(大正14)年の『女工哀史』は、「近代化に圧し潰された女子労働者の実態」。2010...

  • 【本の情報】 戦う母親の物語でストレス解消を 吉田伸子さん

    ■相談 ママ友のつきあいで、もやもや 「持ちつ持たれつ」という言葉がありますが、ご近所やママ友とのつきあいは「持ちつ」が多くて嫌になります。うちにばかり遊びに来たり、路上で遊んでいる子どもたちを私が見守っているのにほかの親が買い物に行ってしまったり。感謝のひと言もありません。独身時代は「持ちつ持たれつ」の人としかつきあってこなかったゆえに、もやもやしています。 (東京都、パート女性・43歳) ■今週は...

  • 【本の情報】 パーフェクト ヒューマン(1) [作]高橋一仁

    ■秘密を共有する同じ顔の5人 信頼を得るには手間も暇もかかるが、人は一度信頼した相手には警戒を解き、無償の労働さえ惜しまない。では、そのような信者を集めた人間は次にどのような行動を取るのだろう? そんな興味からグイグイ読ませるのが本作だ。 主人公は容姿端麗で頭脳明晰(めいせき)の天才プロボクサー・世良優人。料理上手で性格もよく、周囲の信頼も厚いが、それは仮の姿。実は彼、同じ顔の5人の男がひとりの人間...

  • 【本の情報】 誰が日本の労働力を支えるのか? [著]寺田知太、上田恵陶奈、岸浩稔、森井愛子

    ■人工知能にも着目、厳しい見通し 2030年までに、日本は14年度に比べて700万人の働き手を失うという。不足した労働力をどう補うか。野村総研の著者らは解決策として外国人労働力と人工知能などデジタル労働力に着目した。 統計からは不都合な情報も明かされる。たとえば外国人にとって働く場所としての日本の魅力は61カ国中52位と低い。給与も高くないうえ、労働時間は長い。また日本と同じく高齢化が進む中国などの...

  • 【本の情報】 南方熊楠、生誕150周年 日本に実在した「知の妖怪」 荒俣宏

    自然保護運動の先駆者でもある博物学者、南方熊楠(1867~1941年)=南方熊楠顕彰館提供 最近、「ミナカタクマグスとかいう人は、なんでもエコロジーを最初に唱えたお方らしいが、この熊楠さんとはどんな人?」と興味をもつ読者が多くなった。 実際、南方熊楠の学問的業績は、あまりに広大すぎて偉さの度合いがよくわからなかった。むしろ、当初はその捉えどころのなさが熊楠への関心を呼んだ一因だった。 しかし、熊楠...

  • 【本の情報】 人はこうして「食べる」を学ぶ [著]ビー・ウィルソン

    ■体が求めるもの、選びとる技術 終章で著者はこう記す。 「食べることは技術である」 本書が示すのは、食べることは本人の嗜好(しこう)に加えて習慣や文化の影響が大きいという事実である。 たとえば、幼児に様々な食品を食べさせるには、まずその外見に少しずつ慣れさせる必要がある。おいしいから食べ続けるのか、食べ続けているからおいしいのかには、決定的な答えがない。 そうして、食べることについての考え方には流行があ...

  • 【本の情報】 フェミニストたちの政治史―参政権、リブ、平等法 [著]大嶽秀夫

    ■不利強いる慣行の問い直しを 本書は、19世紀から現代にいたるフェミニズム運動の軌跡を辿(たど)る。 興味をひかれるのは、フェミニズムが、20世紀半ばまでは、社会民主主義と親和的だったのに対して、70年代半ば以降、新自由主義と結びつく方向に転じた、という多分に論争的な主張である。 フェミニズムの運動は、女性が自由であるための生活条件(福祉)の構築に寄与してきたが、やがてその自由の擁護は男女を問わず個々...

  • 【本の情報】 復興ストレス 失われゆく被災の言葉 [著]伊藤浩志 理性の起源 賢すぎる、愚かすぎる、それが人間だ [著]網谷祐一 モラルの起源 実験社会科学からの問い [著]亀田達也

    ■情動や共感こそ心の基盤 科学は人の心にどこまで迫れるか? さまざまな角度から、さまざまな方法を使って肉薄した3冊をまとめて御紹介する。 自身の社会心理学的な研究を中心に、進化論や社会哲学を射程に入れつつ考察を進める亀田達也。よく似た枠組みながら、幅広く多数の文献を渉猟し、哲学的に人の理性について考える網谷祐一。そして、このような成果を踏まえて、福島の原発事故後の放射線リスクをめぐる混乱に新しい光を...

  • 【本の情報】 憲法施行70年 世代を越えて繋がる思想水脈 山室信一

     70年前、憲法施行にあたって憲法普及会は「われわれは平和の旗をかかげて、民主主義のいしずえの上に、文化の香り高い祖国を築きあげ」ると誓う『新しい憲法 明るい生活』を全国の家庭に配布した。 その初志がいかなる変転をたどってきたのか。 その推移が戦後という時代の歩みそのものであったことは、『憲法と生きた戦後~施行70年』(新聞通信調査会・2160円)に載せられた写真や年表によって知ることができる。 し...

  • 【本の情報】 「僕は上手にしゃべれない」

     吃音(きつおん)で悩んでいる人を理解してほしいという作者の願いが込められた物語。中学校へ入学した日、自己紹介がうまくできなくて落ち込んでいた主人公は「しゃべることが苦手な人でも大歓迎」というチラシを見て放送部に入る。そこで先輩や級友に助けられながら自分の世界を広げる第一歩をふみ出す。(ちいさいおうち書店店長 越高一夫) ★椎野直弥作、ポプラ社、税抜き1500円、中学生からhttp://book.asahi.com/revi...

  • 【本の情報】 冬の日誌_、内面からの報告書 [著]ポール・オースター

    ■生の痕跡から掘り起こす記憶 現代アメリカ文学の重要な作家ポール・オースターによる回想録的作品が二冊、続けて刊行された。『冬の日誌』は〈肉体と感覚〉をめぐる視点、『内面からの報告書』は〈精神〉をめぐる視点から描かれる。 肉体と精神、といえば、デカルトの心身二元論以降さまざまなかたちで試みられてきた超克が想起されるが、著者は読書遍歴の記述の中でとりわけメルロ=ポンティを強調する。「最終的に一番しっくり...

  • 【本の情報】 あの頃の自分につけた決着 川本三郎

     ボブ・ディランが、ノーベル文学賞に輝きました。ディラン世代でギターも弾いていただけに、うれしかった。この本の題名も、ディランの曲名からとったのです。ただ、本に書いた当時を振り返るのは、いまでも正直、気が重い。若い頃の不名誉な話が軸になっていますから。 それなりのページを割き、1970年前後の社会の動きを駆け出し記者の視点から追っています。事件のことより、まずあの時代の熱気を記録しないと、伝わるも...

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