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2017年07月のエントリー一覧

  • 【本の情報】 「若さ」を軸に解いた 三浦雅士「青春の終焉」

    ずいぶん昔に書いたように感じられる不思議な本です。「青春」や「青年」という概念に注目すれば社会や文学をこれまでと違うように捉え直すことができる。そのアイデア自体は若い頃からずっと持っていたし、周囲にもよく話していた。だからそう感じるのかもしれません。 「青春」はいつの時代にでもあったのではなく、産業資本主義と同時に生まれた。英国でシェークスピアが書いたときには意識されていなかったのが、18世紀ドイ...

  • 【本の情報】 ひとは誰でも孤独に挑んでいる 壇蜜さん

    相談 フリーの彼の考えを尊重して欲しい 私のパートナーはフリーランスのデザイナーです。彼の家族は会社員など安定した職業についているので彼のことを「しっかりしていない」「考えが甘い」と、本人が決めたことを応援してくれません。フリーだとしても、会社員だとしても、経営者だとしても、考えを尊重しあえる関係を築くため彼の家族に本を薦めるとすれば、どんな本が良いでしょうか。(茨城県、カウンセラー女性・29歳) ...

  • 退職そして起業本当に本と関わるようになった

    ネットで本屋をやりたいと思っていたらほんとになってしまいました。今までは公立ほどではないですが、私立の学校で働いていたので、あまりプロフィールも出せずに来ましたが、これからはどんどん出せます。定年を待たずに起業を決意。どうも教育業界というか、独特のドメスティックな村は将来性が感じられなくなりました。とはいえ、これまで教育にかけて来た思い、情熱、そしてビジョンはありますからドメインとすればやはり「教...

  • 【本の情報】 “蒙古の怪人”キラー・カーン自伝 キラー・カーンさん

    ■憎々しげな表情、鏡の前で研究 プロレスファンの間では、身長223センチの大巨人アンドレ・ザ・ジャイアントの足を折ったレスラーとして、あまりにも有名だ。 この自伝で「真相」が明かされる。時は1981年。場所は米国ニューヨーク州ロチェスター。カーンは、コーナー最上段から飛び降り、相手の体にひざを落とすニードロップをアンドレに仕掛けた。プロレスは、相手にけがをさせてはいけない。カーンのニードロップも見た...

  • 【本の情報】 プライベートバンクの嘘と真実 [著]篠田丈ほか

    ■「富裕層の資産管理」を垣間見る 本書は富裕層の資産管理に携わる「プライベートバンク」、中でも本場スイスの伝統的業者について解説する。著者は現在、事業の一環として、こうした業者と共にビジネスを行っているという。 近年、「パナマ文書」など富裕層の脱税行為が世界的な非難を浴びる中、各国政府はプライベートバンクに監視の目を光らせ始めた。2018年には国際的取り決めにより、非居住者の金融口座情報は各国の税務...

  • 【本の情報】 そろそろ、人工知能の真実を話そう [著]ジャン=ガブリエル・ガナシア/人工知能の哲学―生命から紐解く知能の謎 [著]松田雄馬

    ■AIは人間を凌駕するのか 司会「みなさんこんにちは。今日の激論コーナーは、いま注目のAI、人工知能についてです」 反対派「なんで今回は対談なんですか?」 司会「最近、やわらかい形式の書評が流行なんですよ。〈山室恭子効果〉って言われています」 反「あのですね、そういう、流行(はや)っているからやるというのが一番いけないんだよ。今のAIブームはその典型です。そんな態度でちゃんとした理解ができるはずないん...

  • 【本の情報】 みすゞと雅輔 [著]松本侑子

     詩人金子みすゞ(1903~30)の生涯を劇団若草の創始者である弟・上山雅輔の目を通して描いた伝記小説である。著者は雅輔の70年分の日記と回想録を読み込んで執筆した。 大正デモクラシーを背景に「こだまでしょうか」「私と小鳥と鈴と」などの詩作に打ち込むみすゞ。一方、幼くして養子に出された雅輔は、みすゞのことをいとこだと思い、文学を語り合うなかで恋人のように慕っていく。その後、みすゞは姉であることを弟...

  • 【本の情報】 Book_&_Review 「食の本」のレビュー募集 セレクターは恩田陸さん

    7月19日(水)より長年ご愛読いただきました「BOOK TiMES」をリニューアルし、新しくBook & Review(ブック アンド レビュー)がスタートいたしました。 Book & Reviewでは、毎月のテーマに沿って、オススメの書籍のレビュー(書評)を読者の皆様から募集します。応募いただいたレビューから、作家やタレントが「セレクター」としてお気に入りを選出し、コメントを添えて朝日新聞の特集紙面とWEBサイト・BOOK asahi.com内...

  • 【本の情報】 「2042年に最大の危機」 『未来の年表』河合雅司氏に聞く

    ■人口減少は「静かなる有事」 新生児が減り、高齢者が激増する日本は、今後どうなっていくのか。そんな未来社会の姿を時系列に沿って描きだした講談社現代新書『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(河合雅司著)が、発売以来約1カ月で発行部数12万部のベストセラーとなっている。 著者の河合氏は、産経新聞社論説委員として同紙に大型提言コラム「日曜講座 少子高齢時代」を連載するほか、人口・社会保障政策の専門...

  • 【本の情報】 芥川賞に沼田真佑さん 直木賞に佐藤正午さん

     第157回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞に沼田真佑(しんすけ)さん(38)の「影裏(えいり)」(文学界5月号)、直木賞に佐藤正午(しょうご)さん(61)の「月の満ち欠け」(岩波書店)が選ばれた。副賞は各100万円。贈呈式は8月下旬、東京都内で開かれる。 沼田さんは1978年、北海道小樽市生まれ。子供時代は父の仕事の都合で引っ越しを...

  • 【本の情報】 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 若林正恭さん

    ■競争社会の矛盾にこだわってきた 超多忙なお笑い芸人が得た5日間の夏休み。競争にまみれた東京を逃れ、単身向かったのはキューバだった。旅先のあれこれと個人史が絡み合い、「幸せとは何か」という普遍的な問いに至る。 お笑いコンビ「オードリー」のつっこみ担当。2013年出版の初の著書『社会人大学人見知り学部 卒業見込』には、社会への違和感や劣等感が渦巻いていた。芸風そのまま。「中二病」と言われつつ共感を呼び...

  • 【本の情報】 日本の原風景 城

     日本の130ほどの城の写真を収録した『日本の原風景 城』(森田敏隆・宮本孝廣写真)が、光村推古書院から刊行された。江戸幕府と大名の城以外にも、五稜郭ほかの城・史跡も。3024円。http://book.asahi.com/booknews/update/2017071800003.html?ref=rss2from ブック・アサヒ・コム 新着記事 http://book.asahi.com/rss/rss2.rdf...

  • 【本の情報】 偽装死で別の人生を生きる [著]エリザベス・グリーンウッド

    ■現代社会の病理うつす取材記録 死亡偽装による保険金詐欺を記事にしたことがある。パキスタン人の夫が同国内で交通事故死したとして、日本人の元妻が大手生保から3千万円の保険金を受け取ったが、その後に死亡関係書類が偽造と判明。生きていた夫は身を隠すどころか、パキスタンの地方議員選挙で当選していた。 本書に登場する米国の死亡偽装者たちも潜伏中のうかつな振る舞いでばれてしまい、「不運な結末はジョークのオチのよ...

  • 【本の情報】 大不平等―エレファントカーブが予測する未来 [著]ブランコ・ミラノヴィッチ

    ■グローバル格差は縮小へ ピケティ『21世紀の資本』以来、久々に格差に関する問題作が現れた。本書は、グローバル化が格差拡大/縮小に与えた影響を、実証的に分析した好著。 著者はまず、グローバル化が加速した年代(1988~2008年)の所得分配を検証する。縦軸に所得増加率、横軸にグローバルな所得分布をとると、所得増加率の高い「世界最上位1%階層」と「グローバル中間層」(中国、インド、東南アジア諸国の中間...

  • 【本の情報】 繰り返す悲しみ、それでも 宮内勝典新刊

    読売文学賞を受けた『焼身』など、世界の現実と向き合う小説を書いてきた宮内勝典(かつすけ)さんの新刊『永遠の道は曲(まが)りくねる』(河出書房新社)が出た。人類が繰り返す惨劇、そしてなお輝き続ける生命の美しさを、刻みつけるような強い筆致で描き出す。 主人公はかつて世界を放浪し、今は沖縄の精神科病院で働く有馬という男性。ふとしたことから、米軍基地の中と外を結ぶ洞窟(ガマ)の存在を知る。 世界のさまざまな...

  • 【本の情報】 現実には絶対にできない旅を 穂村弘さん

    ■相談 心だけでも外国へ連れ出してほしい 子どもの頃から外国への憧れが強く、特にヨーロッパの美しい街並みが好きで、独身時代は長期休暇のたびに海外へ出かけていました。しかし、結婚をし、育児をしている今の生活ではなかなか海外旅行ができません。日常生活から解き放たれて、心だけでも外国へ連れ出してくれる本を知りたいです。 (横浜市、パート女性・35歳) ■今週は穂村弘さんが回答します 現実の旅の代(かわ)りにな...

  • 【本の情報】 知性の顛覆―日本人がバカになってしまう構造 橋本治さん

    ■言説の力を信じる、たとえ「微弱」でも イギリスのEU離脱、米国のトランプ政権誕生、ヘイトスピーチの横行……。それらの背景にある「反知性主義」と向き合った。 「自分が一番愚かな読者。その私に向けて、説明しようとしている」と語るように、回り道も恐れず、丁寧に論じた思想の書だ。 東京・山の手で育ち、東京大学に進学した自分自身も解剖台に載せた。筆致はおごりも虚飾もなく誠実だ。〈「自分の頭で考えたいことを考える...

  • 【本の情報】 世界の廃墟・遺跡60

     『世界の廃墟・遺跡60』(リチャード・ハッパー著、渡邉研司訳)が東京書籍から刊行された。朽ち果てた自動車工場が残る米国のデトロイト、未完成のままのキューバのフラグア原発1号機、閉園した遊園地・奈良ドリームランドなど60カ所が紹介されている。著者は英国の作家。カラー写真とともに、なぜそこから人が去ったのか、理由や経緯も記され、読み応えがある。3024円。世界の廃墟・遺跡60著者:リチャード ハッパー...

  • 【本の情報】 星の子 [著]今村夏子

    ■過去の自分と決別 今村夏子の『星の子』は雑誌掲載時から話題になっていたが、単行本の発売直後に芥川賞候補作に選ばれてさらに注目され、新たな読者を増やしているようだ。 物語の語り部「わたし」は中学3年生、林ちひろ。ちひろは未熟児で生まれ、生後半年目には原因不明の湿疹に苦しむ。両親は医者が薦める薬やあらゆる民間療法を試したが、効果はない。困り果てた父親は、勤務先の同僚がくれた「金星のめぐみ」という水を持...

  • 【本の情報】 “生涯投資家”村上ファンドを率いた村上世彰が指摘する日本企業の問題

    ■村上世彰は、なぜ今、筆をとったのか? 「もの言う株主」として2000年代に世間の耳目を集めた投資家がいる。 アパレルメーカー「東京スタイル」にプロキシーファイト(議決権争奪戦)を行い、ニッポン放送や阪神電気鉄道など、企業への投資を行うたびに、メディアに取りあげられた村上世彰氏だ。 ニッポン放送を巡る騒動では、堀江貴文氏から得た情報がインサイダー取引に当たるとして起訴され、有罪判決に至った。その後、表舞台...

  • 【本の情報】 アール・ブリュット―野生芸術の真髄 [著]ミシェル・テヴォー

    ■抵抗と闘争を続ける表現者 本書は、日本でもこのところ頻繁に見掛けるようになったアール・ブリュットをめぐる古典的な一冊。フランスの画家ジャン・デュビュッフェが、それまでの体制順応的な美術に飽き足りず、1945年に着想した。その担い手は、既存の美術界とは無縁の天涯孤独な監禁者や、他人の目には見えない精霊に導かれた霊媒たちで、堅苦しい学問的な定義などない代わり、その種が撒(ま)かれる領野は、きわめて広範...

  • 【本の情報】 ホサナ [著]町田康

    ■わかるとはどういうことなのか いまさらながら、日本語とは不思議なものである。 ちょっとながめるだけでも、漢字と平仮名、片仮名がいりまじっている。なんならアルファベットをまぜることも可能だ。 日本語の文章は明治期あたりから急速な変化にみまわれ、今も模索が続いている。言文一致運動を持ち出すまでもなく、語り口というものは勝手に生まれてくるものではなくて、苦心の末に見いだされるのだ。 たとえば、バーベキュー...

  • 【本の情報】 我々みんなが科学の専門家なのか? [著]ハリー・コリンズ

     今の世の中、その道の専門家に頼らなければできないことばかりだけれども、肝心のその専門家が、どうにも信頼できない。私たちは専門家をどのように使いこなせばいいのか? 本書は、専門知や専門家の特徴を分析した導きの糸だ。 著者は専門家が身につけている暗黙知の重要性を強調する。学術的な専門論文を読んで知識をたくさん得ても専門家にはなれない。その知識を評価する枠組みや尺度が必要で、それらは専門家集団の中で長...

  • 【本の情報】 東直子が薦める文庫この新刊!

     (1)『おはなしして子ちゃん』 藤野可織著 講談社文庫 626円 (2)『どつぼ超然』 町田康著 河出文庫 853円 (3)『きみは赤ちゃん』 川上未映子著 文春文庫 691円 ◇ 口伝えの説話が含んでいた毒が、現代の小説として蘇(よみがえ)ったような(1)。「おはなしして子ちゃん」と呼ばれるホルマリン漬けの猿、出来そこないの偽造人魚、一日に一度嘘(うそ)をつかないと死んでしまう少女など、生と死の際...

  • 【本の情報】 少女たちが語る少女たちの物語 松浦理英子の長編小説

    松浦理英子さんの久々の長編小説『最愛の子ども』(文芸春秋)は、友情とも恋愛とも割り切れない関係で結ばれた少女たちの物語だ。自分が何者なのか、自分でもまだ理解していない少女たちの、悲しみと欲望が交錯する。 女子高校生3人を、同級生たちは「ファミリー」と呼ぶ。日夏がパパで、真汐がママで、そして空穂が王子様。 時に親子のようなやさしさが、あるいは時に性愛のようななまめかしさが、3人の間には漂う。「同性愛的...

  • 【本の情報】 上半期ベストセラー AIブームと文明批判

     上半期のベストセラーを振り返る。トーハン調べランキング1位は、佐藤愛子の『九十歳。何がめでたい』。一方、e―honランキングでは、村上春樹の『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』が1位を獲得した。 それ以外の上半期を振り返るとお笑い芸人であるにしのあきひろ(西野亮廣)の絵本『えんとつ町のプペル』、大ベストセラー『火花』の又吉直樹の小説2作目となる『劇場』がヒット。意外性のあるところでは「お堅い」...

  • 【本の情報】 夫・車谷長吉 高橋順子さん

    ■「書いてしまえ!」けしかけられて 一昨年、69歳で急逝した車谷長吉さんは、容赦のない私小説で人を傷つけるのみならず、エッセーにも平気でうそを盛り込み、しばしば筆禍を招いた。加えて強迫神経症を患い、自分で自分を激しく苦しめる姿に、見守る詩人の妻も苦しむ。「壮絶な」と言いたくなる結婚生活を振り返っているのだが、どこか恬淡(てんたん)として、すがすがしくさえあるのが不思議だ。 「詩を書くって、地面から浮...

  • 【本の情報】 文化財と学芸員 公開(観光)と保存の両立へ 宮代栄一

     「一番がんなのは学芸員。連中を一掃しないと」。文化財観光と関連して、山本幸三地方創生相が放ったこんな発言が大きな波紋を呼び、すぐに撤回されたのは4月中旬。背景には古い建造物の利用のあり方をめぐる問題があったとされるが、山本大臣の発言に影響を与えたとされるのが、彼の知人のデービッド・アトキンソン氏だ。 『国宝消滅』は、文化財修復を手がける小西美術工藝社の社長アトキンソン氏が「文化財分野をコスト部門...

  • 【本の情報】 なぜ世界中が、ハローキティを愛するのか?―“カワイイ”を世界共通語にしたキャラクター [著]クリスティン・ヤノ

    ■謎多いクールジャパンの象徴 百年後にも残っている日本文化はなにかという話をすると、ハローキティかマリオブラザーズではないかとなることが多い。いや日本にはまだまだ素晴らしい文化があると言ってみても、実際に海外の街中で姿を見かける機会が多いのはこの二つである。あとは忍者か。 そのキティだが、意外に謎が多いのである。まず猫なのか。猫ではどうもないらしい。「小さな人間の女の子」であるとロサンゼルス・タイム...

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