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2017年08月のエントリー一覧

  • 【本の情報】 わけあり記者―過労でウツ、両親のダブル介護、パーキンソン病に罹った私 三浦耕喜さん

    ■読者を助け、戦う新聞をつくりたい 「俺ってストレス耐性が強い」と自任し、周囲からは「使い減りしない」とも言われていた。期待に応える猛烈な働きぶり。中日・東京新聞でベルリン特派員や政治部官邸キャップを歴任した記者。そのキャリアが、2012年、突然途切れた。 年明けから動悸(どうき)が収まらず、不眠が続いた。抑うつ状態と診断され、5カ月休職した。復帰後に政治部を去り、生活部に異動した。 本作では、過剰な...

  • 【本の情報】 海中漂う生物の魅力凝縮 屋久島の水中写真家が出版

    透き通った体を光らせて、幻想的に漂う生き物たち――。鹿児島・屋久島の水中写真家、高久至さん(35)が、児童向けの写真集「海のぷかぷか」(アリス館)を出版した。自然豊かな屋久島を中心に北海道や静岡県などで撮りためた作品で、魚の卵や稚魚、クラゲなどが海の中で浮遊しながら生きる姿を伝えている。 高久さんは2009年に屋久島に移住し、ほぼ毎日、島周辺の海に入り、約1千種類の生き物を撮影。昨年はキャンピングカ...

  • 【本の情報】 子ども白書2017

     結成から65年を迎えた「日本子どもを守る会」編の『子ども白書2017』が本の泉社から出た。特集は日本国憲法施行から70年、改憲勢力の動向をふまえた「改憲は子どもに何をもたらすか~児童憲章の再発見~」。宇宙物理学者・池内了らのインタビュー記事や憲法学者・木村草太らの寄稿のほか、教育勅語と森友学園、原発避難者への差別、教育無償化など、子どもを巡る様々な問題を多彩な筆者が考察している。2160円。http...

  • 【本の情報】 私たちの闘い 自分で動く:4 「わたしの言葉」をつかむ 温又柔

     深く影響を受けたとして真っ先に浮かぶ作家は、やはり李良枝(イヤンジ)だ。 ことばの杖を、目醒(めざ)めた瞬間に掴(つか)めるかどうか、試されているような気がする(略)アであれば、?(ア)、?(ヤ)、?(オ)、?(ヨ)、と続いていく杖を掴むの。でも、あ、であれば、あ、い、う、え、お、と続いていく杖。(『由熙〈ユヒ〉』) 母語としか呼びようのない日本語と、母国語と呼ぶべき韓国語。母語と母国語が一致しない「...

  • 【本の情報】 東芝 原子力敗戦 [著]大西康之

    ■「国策」の泥沼、責任とるべきは 我々が知りたいのは、東芝の決算をめぐる泥仕合や半導体事業売却の混迷ではなく、なぜこの会社が原発ビジネスの泥沼に引きずり込まれたかだ。本書はまさにこの点に、正面から迫る。 当初、東芝の問題とは粉飾決算のことだとされ、歴代三社長による「チャレンジ」なる用語が一世を風靡(ふうび)した。ところがこれは、米国原子炉メーカーのウェスチングハウス社(WH)の経営危機を隠すための、...

  • 【本の情報】 飯場へ―暮らしと仕事を記録する [著]渡辺拓也

    ■体験ルポと考察の“私民族誌” 本書を手にして、ラチェットレンチ、水準器、安全帯、ヘルメット、ユンボ、ワイヤカッター、コンクリートブレーカー……などが描かれた賑(にぎ)やかな表紙にまず引き込まれた。評者は、作家専業になる前に電気工として建設現場に立っていたので、懐かしいモノたちと再会した気分となったからである。さらに、飯場の間取りなどのスケッチや写真、手書きのメモもふんだんに挿入された手作り感のある本の...

  • 【本の情報】 保育園を呼ぶ声が聞こえる [著]猪熊弘子、國分功一郎、ブレイディみかこ

     保育行政は待機児童対策に突き進み、子どもの権利や教育が置き去りにされたと、怒りを込めつつ告発する鼎談。 ジャーナリストで研究者の猪熊は豊富な知見で、有資格の保育士がいない保育所が認可され、自治体が関与できない保育所に800億円の予算がつくなどの実態を報告。 英国で保育士をしつつ、同国の「地べたから」の政治への異議申し立てをレポートしてきたブレイディは、日本での、子どもに対する保育士の数の少なさに驚...

  • 【本の情報】 池上冬樹が薦める文庫この新刊!

     (1)『創作の極意と掟』 筒井康隆著 講談社文庫 724円 (2)『夏の沈黙』 ルネ・ナイト著 古賀弥生訳 創元推理文庫 1080円 (3)『怪談』 小池真理子著 集英社文庫 648円 ◇ (1)は、文学指南書的エッセーで「凄味(すごみ)」「色気」から「反復」「幸福」まで31項目。古今東西の文学(あらゆるジャンル)を自在に引用して小説の可能性を説いている。圧倒的な情報量を誇り、いずれ索引から逆引きし...

  • 【本の情報】 (オススメ 編集部から)核廃絶をあきらめない

     この7月に国連で、核兵器の使用や保有を違法とする「核兵器禁止条約」が史上初めて採択された。「核なき世界」への具体的な第一歩で、日本の被爆者や市民の地道な反核平和運動が大きな役割を担った。その実例の一つが広岩近広著『核を葬れ! 森瀧市郎・春子父娘の非核活動記録』(藤原書店・2808円)に詳しく、示唆に富む。 森瀧市郎(1901~94)は広島で被爆した哲学者で、「反核の父」とされる。原爆孤児救済を掲...

  • 【本の情報】 違う価値観、言語化して理解してみて 荻上チキさん

    ■相談 人のルール違反に寛容になりたい 他人のちょっとしたルール違反やマナー違反が気になり、心の中で指摘してしまいます。誰しも完璧ではないので、お互い様だと分かっているのに柔軟性が無く、何かとしゃくし定規に考えてしまいがちです。正論を振りかざすこと無く、人の言動を受け入れるにはどうしたらいいでしょうか。 (神奈川県、会社員女性、24歳) ■今週は荻上チキさんが回答します たとえ同じ国に生まれようと、同じ...

  • 【本の情報】 ノミのジャンプと銀河系 椎名誠さん

    ■原点は幼い頃の素朴な疑問や夢 椎名誠さん(73歳) 「あやしい探検隊」で知られる行動派の作家・椎名誠さんは、自身を「好奇心の雑貨屋」「幸福な疑問男」という。本書を読むとそのままに、少年期から想像力や旅心を刺激する科学系の知識に親しみ、楽しんできた姿が浮かぶ。 例えば、ノミの跳躍力は体長の150倍以上だという。体長1ミリなら15センチ以上。もし170センチの人だと250メートル以上跳ぶことになるが、...

  • 【本の情報】 ビール「営業王」 社長たちの戦い [著]前野雅弥

    ■「勝てる営業」の極意は共感力に アサヒビールの平野伸一、キリンビールの布施孝之、サントリー酒類の小島孝、サッポロホールディングスの尾賀真城の各社長は1980年前後に入社した同世代で、いずれも「営業の天才」だった。 4人は失敗にもくじけず、社長へとのし上がった。経済紙記者が業界30年史を縦糸に“今太閤”たちの足跡をたどる「泣き笑い」の群像劇だ。 取引のない酒販店の店主の葬儀にも真っ先に駆けつけ、義理がた...

  • 【本の情報】 書架の探偵 [著]ジーン・ウルフ

    図書館の棚に、男が一人横になっている。彼はかつて存在した作家の記憶を植えつけられたクローンである。オリジナルはミステリ作家だった。要望があれば貸し出される。 生物学的には人間だが、完全に物として扱われる。制度上、そうなっている。 彼の小説の主人公と同様に慇懃無礼(いんぎんぶれい)な口調で喋(しゃべ)る。 ある日、彼は借り出され、自分では書いた記憶のない本をめぐる謎と遺産の争奪戦に巻き込まれる。 といっ...

  • 【本の情報】 辻山良雄が薦める文庫この新刊!

     (1)『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』 pha著 幻冬舎文庫 583円 (2)『ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方』 伊藤洋志著 ちくま文庫 734円 (3)『森と氷河と鯨 ワタリガラスの伝説を求めて』 星野道夫著 文春文庫 1026円 ◇ 社会に出るころには、景気はすでに下り坂、現実感のない〈経済成長〉よりは、自分らしい生きかたを探してみたい……。(1)(2)...

  • 【本の情報】 現代文学を「読む・語る・動く」 東大でシンポジウム

     「文学を読む・語る・動く」と題するシンポジウムが7月、東京大で開かれた。第一線で活躍する翻訳家や作家、文学研究者が次々に登壇し、現代の文学を縦横に語った。 「読む」をテーマにパネル討論に臨んだ福嶋伸洋・共立女子大准教授はボブ・ディランさんのノーベル文学賞を引き合いに出し、歌や韻といった「読まれない」文学をもっと評価するべきだと指摘。「韻」を子供に説明するために自作した「かまどの中にはてっぱん/お...

  • 【本の情報】 大人の落語 柳家さん喬さん

    ■客と「互角」に向き合い、つむぐ機微 古典落語を紹介しながら、男女の感情の機微をつづった書だ。泥棒をも手玉に取る女性の魅力と強さ、翻弄(ほんろう)される男たちの愚かしさや切なさ。そして、許されぬ恋を貫く男女の純粋さ??。 人情噺(ばなし)の妙手。特に女性を演じるときの繊細で優しい雰囲気はこの人ならでは。本書を読むと、文体にも、それが表れている。著者が、演じる人物たちに温かく優しい気持ちを抱き、寄り添っ...

  • 【本の情報】 〈マンガ今昔物語〉第84回 夏だからペンギン!

    昔からペンギンが好きだ。都内のサンシャイン水族館やアクアパーク品川はもちろん、北海道の旭山動物園や九州の長崎ペンギン水族館にも足を運んだことがある。なんといっても「人鳥」とも呼ばれるユーモラスなシルエットがいい。ペットとして飼うのは難しそうだが、ただ見ている分には犬や猫より可愛いと思う。 ペンギンを主人公にしたマンガというと、たとえばアニメ化もされた『忍ペンまん丸』(いがらしみきお)などが有名だが...

  • 【本の情報】 〈女優・のんのコミック感想文 のんびりーでぃんぐ〉響_~小説家になる方法~ [作]柳本光晴

    ■才能とダメさ加減の釣り合いが絶妙にかわいい 誰しも“天才”に憧れを抱くことはあるのではないでしょうか。私も、今の演技天才! とか言われると嬉しいです。天才と一口に言ってもいろんな才能があると思うのですが、この作品で描かれているのは小説を書く女の子、響(ひびき)。一見大人しそうだけど、とても喧嘩(けんか)っ早い。普通じゃ考えられないほどの行動力で周囲をドン引きさせるけれど、自分の好きな作家に握手を求め...

  • 【本の情報】 私たちの闘い 自分で動く:2 70億分の1の声に耳を澄ます 七尾旅人

     世の中の混乱がますほどに、マスメディア、また、SNS、ポップミュージックの詞に至るまで、大文字の言葉が飛び交うようになった。この傾向は、政治的スタンスや社会的階層によらず、さまざまな立場の人を覆っているように見える。不安と閉塞(へいそく)感の中、知らず知らずのうちに、多くの人々が、精神的に寄りかかることのできる、強靱(きょうじん)な一言を欲しているようだ。同時代の多くの心を直情的にひきつけようと...

  • 【本の情報】 地球は本当に丸いのか?―身近に見つかる9つの証拠 [著]武田康男

    学校には丸い地球儀があり、図鑑を開けば宇宙から捉えた丸い地球の写真が載っている。私たちは肉眼で地球を外側から確認したこともないのに、自然に、そして無意識に地球は丸いものだと信じ込んでいる。そういった「信念」に囲まれて生きている。生まれたときに自分のそばにいる大人を親だと思い、食事は一日三食、人は恋愛をするものと思っている。これらも本当に正しいのかどうか確認する前に信じていることだ。 では、地球は本...

  • 【本の情報】 少年ジャンプ、半世紀 キャラ進化、人気引っ張る

     『週刊少年ジャンプ』が来年で創刊50周年。大規模な広告キャンペーンが話題を呼び、創刊号と最大部数653万部を記録した9784081022380しろ漫画は次に向かうべきだと思っていた」 漫画は紙で完結するものではない。堀江はそう考える。「手塚治虫は、絵を動かすためにアニメーションに行った。そもそも彼は映画が好きで描き始めています。漫画は漫画で終わりません」 ジャンプの部数が落ち始めた90年代半ばは、同時に、メデ...

  • 【本の情報】 バルタン星人を知っていますか? 飯島敏宏さん

    ■カオスから生まれた強さ伝える 「バルタン星人を知っていますか?」と聞かれて「知りません」と答える人は、現代日本に何人いるだろう。バルタン星人が登場した「ウルトラマン」の第2話「侵略者を撃て」が放送されたのは1966年7月。TBSの社員だった飯島さんが千束北男の名で脚本を書き、自ら監督も務めている。 「ウルトラ」シリーズは半世紀にわたって放送されているが、その間、バルタン星人は何度も地球にやって来た...

  • 【本の情報】 生涯投資家 [著]村上世彰

    ■話題になった案件と自らの哲学語る 2000年代前半、「モノ言う株主」「村上ファンド」で名を馳(は)せた村上世彰氏。06年にインサイダー取引で逮捕され、有罪判決を受けた氏が、初の自著で過去の投資案件と投資哲学について記した。 小3の時に十年分のお小遣いとして百万円を父からもらい、サッポロビールに投じたのが氏の最初の投資。東大卒後、官僚として16年務めたのち、投資家として独立した。 本書では、02年のア...

  • 【本の情報】 未来の年表-人口減少日本でこれから起きること [著]河合雅司

    ■静かなる有事 2015年の国勢調査で明らかになったように、日本の人口は減少に転じている。昨年は、年間出生数がはじめて100万人の大台を割りこんだ。このまま少子高齢化が続けば、40年後には9千万人を下回るというデータもある。すでに私たちは、世界史に類例のない急激な人口減少時代に突入したようだ。 河合雅司の『未来の年表』は、その時代の悪夢のような実態を具体的に紹介する。第1部のタイトルにもなっている...

  • 【本の情報】 土偶界へようこそ-縄文の美の宇宙 [著]譽田亜紀子

    ■造形美、かきたてる想像力 縄文のビーナスって知ってますか? 国宝土偶の第一号である。知らないという人、こっちにいらっしゃい。いや、実は私も有名な遮光器土偶ぐらいしか知らなかった。この本の受け売りでお教えすると、土偶というのは縄文時代、およそ1万5千年前から2400年前まで続いたとされる時代に作られた、人の形をした土の焼き物のこと。何のために作られたかはよく分かっていない。でも、なんらかの仕方で祈り...

  • 【本の情報】 人の数だけ物語がある。-ザ・ゴールデンヒストリー 朗読CDブック [編]文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」

     大竹まことがパーソナリティーを務めるラジオ番組内の一コーナーの書籍化だ。放送時間は約5分。男手一つで育ててくれた父の背中を見て、ピンセット工場を継いだ鈴木正弘さん。交通事故による寝たきり生活を経て、車椅子ラグビー日本代表となった岸光太郎さん。最終試験で宇宙飛行士を逃したが、別の形で夢をかなえた内山崇さん。原発事故からの避難者、沖縄戦の体験者ら16人を収録。圧縮した文章からは取材に費やした時間と労...

  • 【本の情報】 第13回大阪こども「本の帯創作コンクール」作品募集

     児童書に巻く「帯」のデザインを小学生から募集。課題図書と自由図書の部門があり、課題図書は低・中・高学年で各6冊。自由図書はコミック、辞典、事典、図鑑類を除く。課題図書の優秀作品の一部は印刷されて本に巻かれ、店頭に並ぶ。 9月4日締め切り。朝日新聞社など主催。 問い合わせは大阪読書推進会事務局(06・6361・5577、 http://www.osaka-books.ne.jp )。http://book.asahi....

  • 【本の情報】 奇怪・難解、あっと驚いてこそ

     作家の綾辻行人さんを迎えた第22回「関西スクエア 中之島どくしょ会」(朝日新聞社主催)が7月中旬、大阪市北区の中之島フェスティバルタワーであった。デビュー作『十角館の殺人』で、謎解きを重視する「新本格」ミステリーブームの先駆けとなって30年。単行本未収録の作品を集めた新刊『人間じゃない』(講談社)の執筆経緯や、これまでの作家生活などについて語った。 ■名探偵が謎解く「新本格」30年 「新本格」ミス...

  • 【本の情報】 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 [著]磯田道史

    ■死にかけて考えた軍の不合理 〈「なぜ日本陸軍は異常な組織になってしまったのか」という疑問〉が、司馬遼太郎にはあったと、磯田さんは語りはじめる。 明治は徳川を倒してできた。その倒された徳川は織豊(織田・豊臣)から権力を奪ってできた。その奪われた織豊の前には〈まだ日本全体を覆う大公儀(おおこうぎ)〉という権力体はなかった。 ならば織田信長が生まれたころから日本陸軍が異常な組織になるまでの歴史を、司馬は探...

  • 【本の情報】 弥栄の烏 阿部智里さん

    ■「八咫烏シリーズ」はある予感から 最年少の20歳で松本清張賞を受け、作家デビューした。人から鳥の姿に変身できる「八咫烏(やたがらす)」が治める異世界を描く「八咫烏シリーズ」を書き続け、6巻の『弥栄(いやさか)の烏(からす)』で第一部が完結した。累計85万部に達する大ヒットになった。5年前の自分から見て、今の自分は。「想像していた通りです」ときっぱり。 高校2年、後の5巻『玉依姫(たまよりひめ)』の...

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