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2017年12月のエントリー一覧

  • 【本の情報】 66歳差、寂聴さんの秘書は見た 瀬戸内寂聴×瀬尾まなほ

    せとうち・じゃくちょう 徳島県生まれ。東京女子大卒。1963年に『夏の終り』で女流文学賞。73年に中尊寺で得度する。98年に『源氏物語』現代語訳(全10巻)を完結。2006年に文化勲章受章。今年12月には長編小説『いのち』(講談社)を出した。<堀内義晃撮影> せお・まなほ 兵庫県出身。京都外国語大卒業と同時に寂庵に入り、その後、瀬戸内寂聴さんの秘書になる。寂聴さんと元厚生労働事務次官の村木厚子さん...

  • 【本の情報】 頭に来てもアホとは戦うな!―人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法 [著]田村耕太郎

    ■示唆に富む元政治家の教訓 本の商品寿命は短い。売れない本は1カ月もしないうちに店頭から撤去され、次の新刊が並ぶ。逆に、当初から売り上げ好調となった本は、あらゆる書店で展開され、それがまた売り上げを増やすという好循環に入り、ベストセラーに育っていく(近時だと『漫画 君たちはどう生きるか』)。しかし、この法則にも例外が存在する。初期に注目されなかった本が、1年以上経ってから、長期かつ爆発的に売れてロ...

  • 【本の情報】 佐倉統 書評委員が選ぶ「今年の3点」

    (1)ソール・ライターのすべて(ソール・ライター著、青幻舎・2700円)(2)そして、ぼくは旅に出た。(大竹英洋著、あすなろ書房・2052円)(3)天才作曲家 大澤壽人(生島美紀子著、みすず書房・5616円)    ◇ 書評できなかった中から世界の見方を変えてくれる三点を。(1)は、ニューヨークの自宅周辺を撮り続けた写真家の、回顧展の図録を兼ねた作品集。ぼくたちの日常には、こんなにも美しい瞬間や優...

  • 【本の情報】 野矢茂樹 書評委員が選ぶ「今年の3点」

    (1)中動態の世界 意志と責任の考古学(國分功一郎著、医学書院・2160円)(2)湯殿山の哲学 修験と花と存在と(山内志朗著、ぷねうま舎・2700円)(3)無くならない アートとデザインの間(佐藤直樹著、晶文社・2700円)    ◇ 鷲田清一さんが私の仕事を、「中動相」という言葉を使って紹介してくださったことがある。私はそのとき中動相(中動態)ということをちゃんと理解していなかった。だけど、それ...

  • 【本の情報】 遺言。 [著]養老孟司

    ■「自然」と対峙する いきなりで恐縮だが、私なりに昨年の自分と今日の自分をくらべると、感覚としては少し老けたと感じる。視覚的にも体力的にも、そう違いを実感する。しかし、意識としては、同じ私である──こんなことを確かめてしまったのは、ヒトの「感覚」と「意識」の関わりについて書かれた養老孟司の新刊、『遺言。』を読んだからだ。 感覚を介して観察すれば、「私」は絶えず変化しているのに、なぜか意識は同じだとい...

  • 【本の情報】 <お知らせ>森達也さんと読書会、参加者募集 2月に東京で「オーサー・ビジット校外編」

     映画監督・作家の森達也さんを囲む若者の読書会「オーサー・ビジット校外編」(朝日新聞社・出版文化産業振興財団〈JPIC〉主催)を来年2月12日(祝)午後1時、ワテラスコモン・ホール(東京都千代田区神田淡路町2の101)で開きます。『たったひとつの「真実」なんてない メディアは何を伝えているのか?』(ちくまプリマー新書)を読んできて下さい。メディアとの付き合い方を考えます。10代及び学生なら20代も...

  • 【本の情報】 斎藤美奈子 書評委員が選ぶ「今年の3点」

    (1)日本キリスト教史―年表で読む(鈴木範久著、教文館・4968円)(2)守教 上・下(帚木蓬生著、新潮社・各1728円)(3)星ちりばめたる旗(小手鞠るい著、ポプラ社・1836円)    ◇ 諸般の事情で書評できなかった本から3冊。 潜伏キリシタンが発見された1867年から150年に当たる今年は関連出版が相次いだ。(1)はキリスト教の伝来から現代までの500年余を概観した通史。キリスト教が日本の文...

  • 【本の情報】 冬休み、心あたたかく

     冬休みがやってきました。ゆっくり読書をしたり、家族と過ごしたりするこの時期に、選者のみなさんがおすすめする8冊を紹介します。(○=新刊、●=既刊、価格は税抜き) ○「図書館にいたユニコーン」(徳間書店) トマスは森で遊ぶのが大好きで、本を読むのが嫌いな男の子。彼が図書館で出会った、木でできたユニコーンとすてきなお話をしてくれる司書のおかげで、本を大好きになるところにひきつけられた。本の持つ力を改め...

  • 【本の情報】 福永信が薦める文庫この新刊!

     (1)『バロックの光と闇』 高階秀爾著 講談社学術文庫 1220円 (2)『ハリウッド映画史講義 翳りの歴史のために』 蓮實重彦著 ちくま学芸文庫 1188円 (3)『空間へ』 磯崎新著 河出文庫 1512円    ◇ (1)ルネサンス芸術が優等生なら、続く「バロック」はさしずめやんちゃな不良といったところ。誰にも遠慮しない。人々はそのじゃじゃ馬な精神に魅了されてきた。本来ならルネサンス的な著者...

  • 【本の情報】 どこかに自分の隙間があるはず 穂村弘さん

    ■相談 打たれ弱く社会に出るのが怖い 社会に出ることが怖いです。人付き合いが苦手で打たれ弱い性格のため、社会人として生きていく自信が持てません。学生時代の就職活動も満足に行えず卒業してしまい、これからどうしていくべきかわかりません。自立したい気持ちはありますが、それ以上に恐怖感が強く、身動きが取れずに焦りだけが募っています。一歩踏み出せるような本を紹介してください。(徳島県、無職女性・24歳)■今週...

  • 【本の情報】 活動報告―80年代タレント議員から162万人へ 中山千夏さん

    中山千夏さん=飯塚悟撮影■信じること伸び伸び主張したい 1980年夏にあった参院選の全国区で、約162万票を得て当選。人気の芸能人で、タレント議員と呼ばれた。1期6年務めた。それから31年。ずっと自分に投票してくれた人々のことが頭にあった。けれども、あまりに異質な経験、濃縮された時間だったから、それを文字にすることができないでいた。 「人生、総括の時期がきて、やっとその責任を果たせそうな気がしてき...

  • 【本の情報】 赤狩り_THE_RED_RAT_IN_HOLLYWOOD [作]山本おさむ

    終戦直後、ハリウッドに吹き荒れた「赤狩り」の嵐 オードリー・ヘプバーンを一躍世界的スターにした名作『ローマの休日』は、長いことイアン・マクレラン・ハンターが脚本を書いたと言われていた。しかし、実はドルトン・トランボが友人のハンターに名前を借りて書いたもの。トランボ没後にその事実が公表され、1993年には彼に改めてアカデミー原案賞が贈られている。トランボはなぜ名前を出せなかったのか? その背景には大...

  • 【本の情報】 〈くるり・岸田繁の奇想転外〉僕たちの新世界 [作]せきやてつじ

    岸田繁『僕たちの新世界』1どうしても熱と血の気の多さが盛り込まれてしまうのは絶対的魅力 イタリア料理店を舞台にした『バンビ~ノ!』など、熱のこもった画風と作風で知られる、せきやてつじ氏の新作。 舞台は東京都日野市。犯罪や事故などによる「未来の死」を知る女子大生、絢女(あやめ)と出会った主人公とその友人は、不思議な魅力を放つ彼女が、犯罪や事故を未然に防止していることを知る。彼女と行動を共にする主人公...

  • 【本の情報】 家庭の食卓はいま―共に食べたい、かなわぬ現実 阿古真理

    正月の食文化を受け継いで欲しいと、紀文食品は5日、母娘対象の料理教室を開いた=東京都港区 料理は今、負担が大きい家事の一つとされている。それは、忙しくてもできる限り市販の総菜に頼らず手作りしたい、と考える人が多いからではないか。 「人生フルーツ」は今年、全国で21万人を動員したドキュメンタリー映画。ニュータウンの自宅で野菜を作って料理する、90歳の夫と87歳の妻の日常を描く。本作が大ヒットしたのは...

  • 【本の情報】 ジェンダー研究を継承する [編]佐藤文香・伊藤るり

     女性学やジェンダー研究の草創期を担った21人へのインタビュー集である。 70年代のウーマンリブ体験あり、研究者を志した動機あり。〈わたくしね、リブの人たちには本当に同調してね。素敵(すてき)だと思いました〉と語るのは在野の女性史研究家・もろさわようこ氏。鋭くてしたたかな市民講座の受講生らと出会い〈鍛えられたのはすごく大きい出来事でした〉と振り返るのは生活史という分野を切り開いた西川祐子氏。会社員...

  • 【本の情報】 池澤春菜が薦める文庫この新刊!

     (1)『雪の夜は小さなホテルで謎解きを』 ケイト・ミルフォード著 山田久美子訳 創元推理文庫 1404円 (2)『紙の魔術師』 チャーリー・N・ホームバーグ著 原島文世訳 ハヤカワ文庫 864円 (3)『虚ろなる十月の夜に』 ロジャー・ゼラズニイ著 森瀬繚訳 竹書房文庫 972円    ◇ 寒い日に暖かい部屋の中で本を読む以上の幸せはない。 (1)は雪に閉ざされた小さなホテルでおこる謎と奇跡の物...

  • 【本の情報】 「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす [著]佐光紀子

    「なぜ女性が家事をきちんとやらなければいけないのか」。誰もが答えに戸惑う疑問だろう。海外の事例や日本の歴史をふり返りながら考察する。 日本はとにかく男性が家事をしない国であり、男性の負担率は世界平均の半分程度とか。「国によって文化は異なる」との意見もあるかもしれないが、日本の歴史をふり返っても、女性が一人で家事をしっかりこなすという習慣は、戦後の高度経済成長を支えた瞬間風速的な姿であることがわかる...

  • 【本の情報】 (オススメ 編集部から)牧師になった同性愛者

     平良愛香(たいらあいか)さんは男性同性愛者であることを公表し、牧師になった。日本では初めてだという。その歩みを『あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる』(学研プラス・1404円)に書いた。タイトル通り、気づいていない多くのことを軟らかな筆致で伝えてくれる。 例えば、カップルでいると投げかけられる「どちらが彼氏ですか」という質問。私もしてしまいそうだ。平良さんは「どちらも彼氏...

  • 【本の情報】 どうぞ堂々とおしゃれをなさって 三浦しをんさん

    ■相談 夫亡き後、楽しく過ごす私は薄情? 主人が亡くなって7年。「50代の若さで無念だったろう」と当初は可哀想でしたが、今は「自分を大切にしよう」と思うように。ママ友に「きれいになったね」とほめられて調子にのったり、流行の洋服をつい買ったりしてしまいます。男性は奥様が亡くなると抜け殻のようになると聞きますが、私は自分が薄情なのではないかと時々心配になります。(神奈川県、歯科医院勤務、女性・52歳) ■...

  • 【本の情報】 肉弾 河﨑秋子さん

    ■自然界での人間の立ち位置を探る 朝5時に起き、牛舎掃除、搾乳、羊の世話をする毎日。北海道の東、野付(のつけ)半島がある別海(べつかい)町で生まれ育ち、実家の牧場で羊を飼育、出荷している。昨年の最低気温は零下20度を下回った。鼻毛が凍り、指の感覚を失うほど寒い日もあるが、風邪でも寝不足でも、重労働と執筆は同時並行だ。3時間しか眠れない日もある。「寿命を削るように書いてます」 学生時代は文芸同人誌に...

  • 【本の情報】 行動経済学 不合理な「人間」から考える 大竹文雄

     太っている人を見て、「あの人は、合理的に太っている」と考えるのが伝統的経済学者である。つまり、人は食事をする時に、あと少し食べると太って将来の健康を悪化させるというコストと、おいしいものを今食べることの喜びを天秤(てんびん)にかけて、それが釣り合うように食事の量を決めているはずだからだ。しかし、それだと、痩せたいのについ食べ過ぎて太ってしまうという人の行動を説明できない。わかっているけれどやめら...

  • 【本の情報】 核DNA解析でたどる―日本人の源流 [著]斎藤成也

    ■縄文系、弥生系とは別の集団も ここ数年で革命的に進歩した遺伝子研究の成果をもとに日本人の起源に迫る。 読んでみたら思わぬことが書いてあって驚いた。 日本人はどこから来たのか。これまでの定説は、次のようなものだった。 旧石器時代、最初に日本列島に移住してきた人々の子孫が縄文人になり、その後北東アジアから別の集団(弥生系)が渡来、先住民である縄文人と混血をくりかえし、これが現在日本列島に居住する多数...

  • 【本の情報】 日銀と政治―暗闘の20年史 [著]鯨岡仁

    ■金融政策を歴史的な視座で問う 本書は、1998年の日銀法改正から、現在のアベノミクス下の超金融緩和策に至る政治と日銀の関係の「舞台裏」を、緻密(ちみつ)な取材を基に記述したものである。 安倍晋三首相が、小泉政権の官房長官時代から日銀に不信感を強めてきた経緯や、現在の日銀総裁・副総裁人事の内幕など、生々しい話が盛り込まれている。 来年は新日銀法施行20周年にあたる。この法改正の意義は何だったかを、この...

  • 【本の情報】 池上冬樹が薦める文庫この新刊!

     (1)『あるフィルムの背景 ミステリ短篇傑作選』 結城昌治著 日下三蔵編 ちくま文庫 907円 (2)『淵の王』 舞城王太郎著 新潮文庫 724円 (3)『ほんとうの花を見せにきた』 桜庭一樹著 文春文庫 756円 ◇ (1)は、吉田健一や丸谷才一などに愛された作家の傑作集。自殺した妻の背景を探る表題作、子供の狂気の深淵(しんえん)「孤独なカラス」、性暴力の被害者の終わりなき苦しみ「惨事」などテーマ...

  • 【本の情報】 ユニクロ潜入一年 [著]横田増生

    「記事に事実誤認はありましたか」。もめた際、必ず相手に問い返してきたという著者は今回、新宿のビックロなどユニクロの3店舗で勤務し、ルポを書き上げた。 前著『ユニクロ帝国の光と影』が名誉毀損で訴えられたものの、最高裁でユニクロ側の上告棄却判決を受けた後の決算会見を締め出されたうえ、ブラック企業との指摘に対して柳井正社長が、ユニクロを理解するためには現場で働いてもらいたいと語った雑誌記事が奮起となる。 ...

  • 【本の情報】 誇りを奪うもやもや吹き飛ばして 水無田気流さん

    ■相談 10年ぶりの再就職へ自信をもつには 子どもたちも手がかからなくなり、10年ぶりに仕事に出たいと思っていました。ところが、引き受けている子どもの学校の役員活動で、書類作成などをしている際に細かいミスを連発し、こんな状態では、とすっかり仕事に対しての自信をなくしてしまいました。こんな私に、また自信が戻ってくるような本はありますか?(東京都、主婦、46歳) ■今週は水無田気流さんが回答します 「自信...

  • 【本の情報】 (オススメ 編集部から)写真家がつづる日常の暮らし

     写真家の加瀬健太郎さんがブログにアップした息子たちの写真と、日々の暮らしをユーモラスに書いた文章を『お父さん、だいじょうぶ?日記』(リトルモア・1728円)にまとめた。ひょいとした瞬間を見事に捉えたカットの数々には子どもの愛らしさと意表をつくおかしさがあり、つい笑ってしまう。 タイトルの通り、このお父さん、ちょっと頼りない。仕事が暇でセコいし、散歩をしすぎて行く場所が無くなったり、皮肉屋の妻に「...

  • 【本の情報】 遺言。 養老孟司さん

    ■言っておきたい、「意識」は害にもなる 400万部を超えるベストセラー『バカの壁』も刺激的なタイトルだった。ご本人はいかにも血色はよさそうなのだが、今回は『遺言。』なのだという。 「いや何となくという感じですよ。いつ倒れてもおかしくない年代ですから、とりあえず言いたいことを言っておこうかと」 言いたいことの一つに「意識」が引き起こす害がある。目や耳などを通じて受ける感覚に対して、そこに「同じもの」を見...

  • 【本の情報】 世界《宇宙誌》大図鑑

     マイケル・ベンソン著『世界《宇宙誌》大図鑑』(野下祥子訳)が東洋書林から刊行された。著者は作家で写真家。古代の遺物から今日のデジタル解析図まで、宇宙の創造、地球や太陽、隕石(いんせき)やオーロラなどを主題にした画像300点から、人類が天空の美と謎にどう向き合ってきたかが伝わる。解説は松井孝典東京大名誉教授。8640円。http://book.asahi.com/booknews/update/2017120500004.html?ref=rss2from ブック・...

  • 【本の情報】 辞書の編纂 活きたことばを採集する人々 サンキュータツオ

     これほど辞書編纂(へんさん)に注目が集まった時期はない。2011年に三浦しをんの小説『舟を編む』が刊行、ヒットして以降、映画、アニメ、更に漫画化されたこともあり国民的に興味が持続、増幅している。10年の「常用漢字表改訂」以降、関心の高さと符合するように各国語辞典も改訂の時期を迎えてきた。 今年大きなニュースだったのは、現行で日本最大の国語辞典である『精選版 日本国語大辞典』のアプリが発売されたこ...

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