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2018年04月のエントリー一覧

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  • 【本の情報】 意外に知らないこいのぼり

     意外に知らないこいのぼりの歴史とうんちくが詰まった1冊。江戸中期に真鯉(まごい)だけで誕生し、明治に緋鯉(ひごい)が加わった。19世紀のウィーン万博など外交にも用いられた。 100点以上の図版は、鯉に見えない江戸の素人作から美術家の奇抜なデザインまで多彩で楽しい。大空でも目立つデフォルメの手腕が光る。極彩色の関東系、単色の濃淡で金太郎が抱きつくこともある関西系と地域色も豊か。逆風でこそ力強いその...

  • 【本の情報】 ケラリーノ・サンドロヴィッチ2―百年の秘密/あれから ケラリーノ・サンドロヴィッチさん

    ■人生は「終わり方」だけではない ケラリーノ・サンドロヴィッチさん 作・演出する劇団「ナイロン100℃」は、やりとりのおかしさに笑いがこみ上げ、人の存在の危うさにどきりとさせられる舞台で知られる。それは、戯曲として読んでもおもしろい。 再演を機に出版された「百年の秘密」。軸となるのはティルダとコナという女性同士の友情だ。12歳から78歳、さらに死後まで、二人と家族の断片的スケッチが、時代を行きつ戻りつ...

  • 【本の情報】 父親エッセー 自分の変節ぶり、楽しく発見 角幡唯介

     数年前、男友達との酒席で「今度、父親エッセーの連載を始める」と明かすと、全員から「それはやめたほうが良い」とたしなめられた。他人の子供の話など絶対に面白くないというのだ。だが反対されたことで私の中で挑戦心がわいた。お前ら馬鹿か。子供ができたら毎日が発見の連続なのだから面白くないわけがないだろう、と。 ■固定観念を逃れ 父親による育児本の刊行が近年目立つ。日本の体育会系的な男社会の風土を考えると、俺...

  • 【本の情報】 酒の起源―最古のワイン、ビール、アルコール飲料を探す旅 [著]パトリック・E・マクガヴァン

     ごきげんバッカスのお通りだ! わーい、愉快愉快。人類が文明を生み出せたのは、お酒のおかげなんだって。酔っぱらうことで革新的な思考が刺激され、みんなでお祭り気分になれて共同体の絆も強まるってわけ。 じっさいアルコールを求める人類の執念はすごいよ。たとえばトウモロコシ。5粒ぽっちしか実らないメキシコの草を、改良に改良を重ねて、ビールがつくれるまでに変身させちゃったんだから。 世界中の酩酊(めいてい)の...

  • 【本の情報】 池澤春菜が薦める文庫この新刊!

     (1)『スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選』 桜坂洋ほか著 D・H・ウィルソンほか編 中原尚哉、古沢嘉通訳 創元SF文庫 1080円 (2)『無常の月』 ラリイ・ニーヴン著 小隅黎、伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫 1037円 (3)『ボルヘス怪奇譚(たん)集』 ボルヘス、ビオイ=カサーレス著 柳瀬尚紀訳 河出文庫 896円 ◇ 今回わたしがご紹介するのは、それぞれ趣の違った短編集3冊。短編集...

  • 【本の情報】 「絵本作家になるには?」五味太郎さん、ベトナムで講演

     「きんぎょがにげた」「みんなうんち」などの作品で知られる絵本作家の五味太郎さん(72)が21日、ベトナム・ハノイで講演した。五味さんは現地在住の日本人やベトナム人のファンに向けて、「子どもも大人も、好きなものをいっぱい発見することは、人生で一番大事なこと。そのスタートの一つに絵本がなれたらいい」と語った。 五味さんはこれまで約400冊の絵本を出版。作品は約30カ国で翻訳され、ベトナム語にも5作品...

  • 【本の情報】 言葉をリミックス、書いて解毒 町田康「湖畔の愛」

    神秘的な湖のほとりに立つ老舗ホテルを舞台にした町田康さんの小説『湖畔の愛』(新潮社)は、ボケと突っ込み満載の恋愛コメディーだ。「人間、つまり自分の考えていることがあまりに訳がわからないので書いている」という町田さんにきいた。 本書は三つの短編連作集。意味不明な言葉を発する老人、天災級の雨女を愛した男、天才かもしれない芸人を擁する大学の演劇研究会一行――。ホテルという閉じられた空間に物語を背負った人々...

  • 【本の情報】 サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」 桜庭一樹が読む

    ■私も同じ!ドン詰まり この演劇は、木が一本生えてるだけの場所で、二人の老人が、神(ゴッド)のようで神(ゴッド)じゃない何者か(ゴドー)をただただ待ち続けるお話だ。しかも、こんな不毛な会話を交わしながら。 「ゴドーを待つ」 「ゴドーが来るまでね」 「なーんにも起こらない、だーれも来ない、だーれも行かない、もうやだよ!」 「ゴドーか?」 「涙も涸(か)れたか」 ウーン、どうしてわたしは、このヘンテコ...

  • 【本の情報】 (おすすめ)本を探すのはまことに難しい

     中国の古典からギリシャ神話、ロシアやポーランドの文学、英国の性心理学、柳田国男、永井荷風……。魯迅の弟で、古今東西の書物を読み続けた文学者・周作人(1885~1967)。読書についての彼の文章を編んだ『周作人読書雑記』全5巻が平凡社東洋文庫で出始めた。既刊は1・2巻、各3564円。中島長文・訳注。 「老年の書」という文章が印象的だ。谷崎潤一郎が、現代の日本には大人や老人の読む文学がほとんどないとし...

  • 【本の情報】 昭和の子どもが見た夢

     月面着陸に霞が関ビル、超音速機。本書が扱う時代に園児、小学生だった身に、これらは甘美に響く。未来を信じたあのころ。そして巻頭は、順当に大阪万博。実見前から会場ガイドができたのも、学年誌の特集のおかげだった。 劇画風のイラストと今見ると粗末な写真が、子どもたちの想像と妄想を刺激した。お勉強系の「科学」と「学習」と、娯楽系の学年誌は子ども向け情報誌の両輪といえた。巻末では後者名物の紙製付録も復刻。当...

  • 【本の情報】 ありがとうって言えたなら [作]瀧波ユカリ

    ■逝く母、残される娘、包み隠さず 一番身近なのに時に遠ざかりたくなって、それでも居なくなるなんて考えられない存在って? 謎かけのような書き出しになってしまったが、多くの母娘はそんな関係ではないか。しかし、万物に終わりがあるように、親の終局は突然やってくる。その時、子はテストなしの本番にのぞまねばならない。 話せばケンカばかりしていた著者が、母親の膵臓(すいぞう)にがんがあると知ったのは姉からの電話...

  • 【本の情報】 スイート・ホーム 原田マハさん

    原田マハさん■フーテン暮らしが創作の源泉 原田マハさん フーテンのマハ。最近、そう自称している。 1年の3分の1は家がある長野県の蓼科。3分の1はパリを拠点に、美術作品を見るために欧州各国に赴く。残りの3分の1は、東京と取材や講演のために訪れる日本各地だ。 フーテンが好きなのはインスピレーションを得られるから。「えっというようなことが起こる。不思議な人に出会ったり、おもしろい看板をみつけたり。出合...

  • 【本の情報】 作家の加藤廣さん死去 「本能寺三部作」

     加藤廣さん(かとう・ひろし=作家)が7日、循環器不全で死去した。87歳だった。葬儀は近親者で営んだ。後日お別れの会を開く予定。喪主は妻玲子さん。 中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)勤務などをへて、05年に「本能寺の変」を題材とした「信長の棺」でデビュー。「秀吉の枷(かせ)」「明智左馬助の恋」と続く「本能寺三部作」はベストセラーになった。http://book.asahi.com/booknews/update/2018041800001.html...

  • 【本の情報】 情報隠蔽国家 [著]青木理

    ■独善的な情報管理 周知のとおり、3月2日の朝日新聞のスクープをきっかけに、財務省による森友学園の土地取得に関する公文書改竄が明らかになった。驚いた。と同時に、やっぱりな、と納得してしまった。私がずいぶん前から感じていた思いは青木理の新刊タイトル──『情報隠蔽国家』となっていた。 青木は実名で登場する当事者(現役自衛官、元・公安調査官)へのインタビューを核に、国家機密の隠蔽や公安調査庁の謀略活動の実態...

  • 【本の情報】 仮想通貨 反権威のパンク精神が源流 加藤出

     書店に行くと、ビットコインなどの仮想通貨の解説本を多数目にする。昨年起きた劇的な価格高騰が、一獲千金を望む人々を強く魅了したからだろう。世間を賑(にぎ)わせているこの仮想通貨ブームを、どのように位置づけて解釈すべきだろうか? ■儲け主義ブーム 1600年代のオランダでチューリップの球根に大規模なユーフォリア(熱狂・酔狂)が発生したことがあった。球根と同様に今の仮想通貨には、価値を評価する基準が全く...

  • 【本の情報】 潜伏キリシタンは何を信じていたのか [著]宮崎賢太郎

    ■先祖崇拝を重視し独自形に変容 長年にわたりカクレキリシタンのフィールドワークを続けてきた著者は、彼らが仏教を隠れ蓑(みの)にキリスト教の信仰を守り続けたという旧来の説に異を唱える。むしろそれは、伝統的な神仏信仰の上にキリシタンの神も合わせて拝む民俗宗教だった。 本書は明治政府が禁教令を取り下げるまでの潜伏期に当の信仰を持ち続けた人を「潜伏キリシタン」、禁教令廃止後もキリスト教に戻らなかった人たちを...

  • 【本の情報】 お寺はじめました [著]渡邊源昇

    ■一から布教「好きでやってます」 「お寺はじめました」と一言で片付けてしまうほど簡単な話ではないのです。 15歳で同級生の住職の父親に「お坊さんにならないか」と声を掛けられて「なります」と即答。住職が「楽しそう」に見えたからと言って遊び半分で釈迦がすべてを捨てて仏道の世界に入ったことと同じ道を歩むにはよほどの覚悟か宿命的な仏縁がなければ出家などできるものではない。 きっと腰がくだけて日蓮宗の総本山身延...

  • 【本の情報】 池上冬樹が薦める文庫この新刊!

     (1)『長いお別れ』 中島京子著 文春文庫 713円 (2)『背教者ユリアヌス』(全4巻) 辻邦生著 中公文庫 1・3・4巻1080円、2巻 1188円 (3)『パーソナル』(上・下) リー・チャイルド著 小林宏明訳 講談社文庫 各994円 ◇ (1)は、認知症の父を抱えた家族の10年の物語で、視点と舞台を変えてオムニバス風に綴(つづ)る8章構成。米国を舞台にした第2章「私の心はサンフランシスコに」...

  • 【本の情報】 家族社会学者・永田夏来 未婚時代の家族のかたち、探る

     昨年8月に刊行した初の単著『生涯未婚時代』(イースト新書)で注目を集めた気鋭の家族社会学者。女性誌「Oggi」「VERY」でインタビューされ、インターネットテレビ「AbemaTV」のトーク番組「Wの悲喜劇」に出演するなど引っ張りだこだ。 同書では1980年までは5%未満だった生涯未婚率が90年以降、急激に上昇し、2015年には男性が23%、女性が14%に達したと指摘。結婚によって成立する「家族」...

  • 【本の情報】 社畜上等!―会社で楽しく生きるには [著]常見陽平

    長年「働き方」というテーマに取り組んできた著者が、会社とうまく付き合うためのヒントを教えてくれる。 目標は楽しく働くこと。著者はまず、会社とは何かを捉え直し、自分を見つめ直すことを勧める。そうすると、新しい見方を発見できるのだ。例えば、個人を縛る存在と否定していた会社が、安定と自由を同時に手に入れることができる場所として見えてくる。また、自分を萎縮させていた学歴コンプレックスが、妄想に過ぎなかった...

  • 【本の情報】 ザハ・ハディドの仕事にため息

     新国立競技場の騒動で知名度抜群になったイラク出身の建築家の業績をまとめた本書では、ほとんど宇宙人的な造形感覚に息をのむ。初期案は建築を解体させるような線が乱舞して機械時代の速度をはらんだが、実現は遠かった。 でも近年は設計にコンピューターが導入され、次々に実現。デザインも直線から曲線、曲面へ。上海の「凌空SOHO」などヌメヌメと潤いのある姿は、電子時代の速度をまとう=写真。2016年の急逝も速度...

  • 【本の情報】 ものするひと(1) [作]オカヤイヅミ

    ■30歳の作家の日常、ゆるやかに 雑誌「文像」の新人賞を受賞しデビュー。1DKのアパートに一人暮らしで、警備のアルバイトをしながら小説を書く。体が大きくどこか茫洋(ぼうよう)とした雰囲気。「人に対して全然執着とか依存とかなさそうにしてて人懐っこい」というのが文壇バーのママによる彼の作品および人物評だ。 そんな30歳の作家の日常をゆるやかに描く。言葉について世界について、彼は常に考えている。そのとりと...

  • 【本の情報】 なぜ世界は存在しないのか [著]マルクス・ガブリエル

    ■新しい実在論 ポストモダン思想は強力だった。いや、過去形ではなく、現代もわれわれはその影響下にある。典型的なのは、絶対的な価値など存在しないという相対主義だろう。それが俗化すると、安倍政権への支持者も反対者もどっちもどっち、といった冷笑的態度になる。絶対的に正しいことなんてありはしない、と。 だが、ほんとうにそれでいいのか? 漠然とした不安と反発を感じていたところに登場したのがマルクス・ガブリエル...

  • 【本の情報】 満州天理村「生琉里」の記憶―天理教と七三一部隊 [著]エィミー・ツジモト

    ■証言が問いかける、宗教と個人 奈良の天理市に拠点を持つ天理教は戦前、旧満州に開拓団を送り込んだ。他の開拓団でもよく聞くように、満州人の家屋と畑をわずかな金で手放させ、そこに天理教の人々が移り住んだ。その村と日本軍の七三一部隊が隣接していたという。細菌戦研究のために人体実験を行っていた悪名高い部隊である。その研究棟建設時から天理村の男たちが労働力として借り出されていた。 本書では親子二代で、父親は...

  • 【本の情報】 ラブという薬 [著]いとうせいこう、星野概念

     いとうせいこうと精神科の主治医・星野概念の、ふだんの診療の様子を、対談というかたちでまとめた「読む薬」。 主治医であるが、いとうが所属するバンドのサポートメンバーでもある星野との関係性による絶妙な距離感が生み出す「ゆるさ」。そのゆるさのせいか、もともと個人的な悩みに関するカウンセリングのはずなのに、自分の心の中のトゲトゲが、少しずつ取れていく感覚に。これが「ラブ」の効能だろうか。 本書中でいとうは...

  • 【本の情報】 新委員8人、読書面の掲載は土曜日に

    今年度から読書面の掲載が土曜日になります。 新しく8人の書評委員を迎え(左欄参照)、多彩な書評を掲載してまいります。紙面の新企画は、著名人がおすすめの1冊を紹介する「私の好きな文庫・新書」(毎月第1週)。ビジュアル系の書籍を紹介する「みる」欄も随時掲載します。「文庫この新刊!」は、週替わりの筆者はそのまま、場所を移してパワーアップしています。読書を楽しむ手がかりとして、引き続きご愛読いただければと...

  • 【本の情報】 直木賞作家の新橋遊吉さん死去 競馬題材に小説

     新橋遊吉さん(しんばし・ゆうきち=作家、本名馬庭胖〈まにわ・ゆたか〉)が2月17日、腎不全で死去した。84歳だった。葬儀は近親者で営んだ。喪主は長女幸子(さちこ)さん。 66年に「八百長」で直木賞を受賞。競馬を題材にした小説を多く発表した。http://book.asahi.com/booknews/update/2018040600005.html?ref=rss2from ブック・アサヒ・コム 新着記事 http://book.asahi.com/rss/rss2.rdf...

  • 【本の情報】 笹井一個さん死去 数々の装画を手がける

     笹井一個さん(ささい・いっこ=イラストレーター)が3月20日、大腸がんで死去した。42歳だった。葬儀は近親者で行った。 佐藤友哉さんの「鏡家サーガ」や、辻村深月さんの「きのうの影踏み」といった小説などの装画を手がけた。http://book.asahi.com/booknews/update/2018040400001.html?ref=rss2from ブック・アサヒ・コム 新着記事 http://book.asahi.com/rss/rss2.rdf...

  • 【本の情報】 妻に捧げた1778話 [著]眉村卓

    ■病気の妻に1日1話 人気テレビ番組の「アメトーーク!」には、“読書芸人”という企画があり、芥川賞作家になる前の又吉直樹など本好きの芸人がそれぞれの推薦本を紹介してきた。そこで取りあげられた本は確実に売り上げを伸ばすとあって、書店も放送後に店頭の陳列を変えるほど影響力をもっている。 眉村卓『妻に捧げた1778話』は昨年11月、同企画でカズレーザーが取りあげ、「15年ぶりに泣いた」とコメント。冷笑的な...

  • 【本の情報】 多様性の本質、彩り豊かに

    ■「マルコとパパ ダウン症のあるむすこと ぼくのスケッチブック」 「絵ならやぶりすてられる。消して、もういちどかきなおしてもいい」「だけど、子どもは……」。作者の胸の内が吐露されるショッキングな冒頭。グスティは、アルゼンチン出身の国際的に活躍する人気絵本作家だ。ダウン症のある息子マルコの誕生を最初は「うけいれられなかった」という。 父の目で描く心の画帳。悶々(もんもん)とコミカルな自問自答、包容力の...

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