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2018年05月のエントリー一覧

  • 「学校は魔法の基礎を教えている」 瀧本哲史

    いろんな大学の学生が集まる瀧本さん主宰のサークルが開いた公開の講演会=20日、東京都文京区の東京大学本郷キャンパスで 想定読者を14歳、中学校2年生においた本を企画して(背後の真の読者はその親でもあるわけだが)、彼らにとって一番の疑問は何であろうかという所からリサーチを始めたところ、「何のために勉強するのか」よくわからないというものであった。 なるほど、勉強のハウツー本に正解はないのであまた存在す...

  • 中国抗日ドラマ読本

     中国の抗日ドラマときくと、日本人にとっては見るのがつらいプロパガンダ作品という印象があるが、本書を読んでいかに自分が先入観にとらわれていたか思い知らされた。 どれも日本を敵に設定してはいるが、内容は、主人公が西部劇風ガンマンだったり、仮面をつけたスーパーヒーローが紫禁城を飛び回ったり、ちょっとしたお色気やBL要素も盛り込んだ荒唐無稽な娯楽アクションばかり。忍者部隊が攻めてくるとか、日本に核弾頭を...

  • 青い月の石 トンケ・ドラフト

     ■「青い月の石」 伝承遊び歌から始まる冒険物語。少年ヨーストは、青い月の石を手に入れようと、いじめっ子のヤンと一緒に地下世界の王を追っていく。その途中で出会うイアン王子は、父王が地下世界の王と交わした約束を果たしにいくところだ。3人は、地下世界の王の末娘ヒヤシンタに助けてもらい、それぞれの任務を遂行して無事にもどってくるのだが、タブーをおかしたイアン王子は、最愛のヒヤシンタのことを忘れてしまう。...

  • 『冬の炎』 グレン・エリック・ハミルトン著

     (1)『冬の炎』 グレン・エリック・ハミルトン著、山中朝晶訳 ハヤカワ文庫 1209円 (2)『現代詩人探偵』 紅玉いづき著 創元推理文庫 799円 (3)『トリダシ』 本城雅人著 文春文庫 918円    ◇ (1)は、最優秀新人賞3冠に輝いた秀作『眠る狼(おおかみ)』に続く元レンジャー、バン・ショウものの第2作。幼馴染(おさななじ)みの女性が殺された事件を追及する物語には、相変わらず緊迫感み...

  • ブックアサヒコムが好書好日に変わります

    長らく愛読いただいている朝日新聞のブックサイト「ブック・アサヒコム」が6月中旬、「好書好日(こうしょこうじつ)」として生まれ変わります。書評をはじめとする朝日新聞の書籍関連の記事はもちろん、サイトのオリジナル記事も数多く掲載します。 たとえば「えほん新定番」。今世紀の刊行でありながら、増刷を重ねている人気の絵本を紹介します。また、20年東京五輪で活躍が期待されるスポーツ選手がお気に入りの漫画につい...

  • BOOK BAR: お好みの本、あります。  杏 (著), 大倉 眞一郎 (著)

     ある本を読むきっかけが友人からの勧めだった、という経験は誰しもあることと思う。友人がその本のどこに惹かれたのかを考えながら読むのは楽しいものだが、本書もまたそんな楽しみを提供してくれる。本を紹介するラジオ番組「BOOK BAR」の10年間の放送から50冊分を書き起こした。 女優の杏さんと大倉眞一郎氏がそれぞれ持ち寄った本を紹介し合うシンプルな内容だが、2人のやりとりの妙で、本の書かれた背景や著者の...

  • 【本の情報】 クルト・ゲーデル「不完全性定理」 大澤真幸が読む

    ■理性の可能性と限界 ゲーデルが1930年に証明した不完全性定理は、数学史上最も重要な命題だ。それどころかギリシャ哲学以来の全思想史の中で、最も偉大な発見かもしれない。それは理性の可能性と限界を見定めた定理だからだ。 不完全性定理は、二つの定理からなる。第一に、「(自然数論を含む)数学のシステムは不完全である」。普通、正しい(真なる)数学的命題は証明可能で、誤った命題は反証可能だと考えられている。証...

  • 【本の情報】 (おすすめ)「彼女の物語」にエールを込めて

     『ちいさいおうち』などで知られ、世代を超えて愛される絵本作家の全体像を豊富な図版で紹介するのが『ヴァージニア・リー・バートンの世界』(ギャラリーエークワッド編、小学館・2052円)。恐慌や戦争の嵐が吹いた20世紀の米国で、自立を目指した女性の軌跡でもある。 ページを繰ると、作品は女性へのエールに満ちていると改めて気づく。主人公であるスチームショベルや除雪車など、米国の発展を支えた機械はみな女性の...

  • 【本の情報】 メタモルフォーゼの縁側(1) [作]鶴谷香央理

    ■17歳と75歳、好きな本に夢中になって 奇跡の出会いは妙齢の男女にのみ訪れるものではなく、75歳の老婦人と17歳の女子高生にも等しく訪れる。市野井雪の場合はたまたま立ち寄った書店だった。そこで初めて手にしたのはBL、いわゆるボーイズラブと呼ばれるジャンル。その時、対応したのがBL好きのバイト店員・佐山うららだ。 その先が気になって、通院前に書店に立ち寄り続刊を購入。読むのが勿体(もったい)ないの...

  • 【本の情報】 名将とは 固い信念とプロセス重視の姿勢 サンキュータツオ

     監督のあり方が問われている時代。勝ち続けるのが名将なのか。うまい人たちをコントロールするのが名将か。教壇に立ったり、小学生のバスケットチームのコーチをしたり、組織のなかで後輩を育成したりと、さまざまな立場で関わってきた人間として、組織の段階別に、運営の指針となった本を紹介したい。 ■目標ひとつに 初歩的な段階でいうと、グループにはモチベーションのバラつきがある。これをうまくまとめてチームの目的をひ...

  • 【本の情報】 三島賞・山本賞決まる

     第31回三島由紀夫賞・山本周五郎賞(新潮文芸振興会)の選考会が16日、東京都内のホテルで開かれ、三島賞は古谷田奈月さん(36)の「無限の玄」(「早稲田文学」増刊女性号)、山本賞は小川哲(さとし)さん(31)の「ゲームの王国」(早川書房)に決まった。賞金は各100万円。贈呈式は6月22日にある。http://book.asahi.com/booknews/update/2018052300001.html?ref=rss2from ブック・アサヒ・コム 新着記事 htt...

  • 【本の情報】 〈創造〉の秘密―シェイクスピアとカフカとコンラッドの場合 [著]野上勝彦

    感性を総動員して肉体で体験を 「創造」とは、何か。辞書によると「新たに造ること、神が宇宙を造ること」ともうひとつ要領を得ない。創造性の本態については哲学者の命題でもあり、明快な結論は導き出されておらず、創造性は知性とは別個の感覚であるらしいと著者。創造的に仕事をしたアインシュタインやエジソンは劣等生であったにもかかわらず、独創性に富んだ創造的な能力を発揮したということでも納得できる。 創造に関わる...

  • 【本の情報】 中井久夫集6 1996-1998―いじめの政治学 [著]中井久夫

    見えない隷従化が進む時代に 本書は、精神科医中井久夫の全集の第六巻であり、一九九六年から九八年までに書かれた論文やエッセイが収録されている。私の知る限り、かつて精神医学に向かった人は、同時に文学に造詣(ぞうけい)の深い人が多かった。その中でも中井氏は際立っている。たとえば、本書にも、ギリシア語・フランス語の詩を翻訳してきた経験にもとづく論考が三つ載っている。また、九五年、阪神淡路大震災のあと、中井...

  • 【本の情報】 時代を語る 林忠彦の仕事 [著]林忠彦

     表紙には銀座のバー「ルパン」で脚を組む太宰治の有名な写真。バーで偶然出会った林忠彦は太宰を撮ろうと便所のドアを開け、便器にまたがりながら夢中で撮影したという。 本書は太宰や織田作之助、坂口安吾など無頼派作家の写真で知られる林の生誕100周年を記念した一冊だ。 戦後の混乱期から高度経済成長、そしてバブルまで。昭和の世相をとらえたカットから文化人の肖像、風景写真まで。撮影の一瞬に対象物の歴史を感じさ...

  • 【本の情報】 辻山良雄が薦める文庫この新刊!

     (1)『数学する身体(しんたい)』 森田真生著 新潮文庫 529円 (2)『海うそ』 梨木香歩著 岩波現代文庫 799円 (3)『帳簿の世界史』 ジェイコブ・ソール著、村井章子訳 文春文庫 950円    ◇ 一読すれば目の前の世界が一変して見える、三冊をご紹介。組織に属さず、在野で研究を続ける若き著者が書く(1)は、「数学」と聞いただけで学生時代の苦手意識がよみがえる人でも、興味深く読み進める...

  • 【本の情報】 (おすすめ)少女と元刑事の事件をつなぐ糸

     警察小説『ドラゴンスリーパー』(長崎尚志著、KADOKAWA・1728円)は、魅力的な主人公、先の読めない展開、驚きの謎解きがそろった作品だ。この著者による『パイルドライバー』の続編だが、さらにパワーアップした印象を受ける。 今回の主人公も神奈川県警の元刑事・久井(くい)重吾と若い刑事・中戸川俊介。久井は「パイルドライバー」(杭打ち機)の異名がある。取り調べが脳天に杭を突き刺すように鋭いからだ。...

  • 【本の情報】 ナサニエル・ホーソーン「緋文字」 桜庭一樹が読む

    Nathaniel Hawthorne(1804~64)。米国の作家■倫理って絶対? 問い今も 「真であれ、真であれ。真の姿を世に見せよ」 海外ドラマを観(み)ていても、実在の大統領のスキャンダル記事を読んでいても、「アメリカ文化は不倫に厳しいなぁ」と感じることしきりだ。一方フランスでは、大統領に愛人が山盛りいてもそんなに叩(たた)かれない。新大陸と旧大陸では、倫理観になにか違いがあるんだろうか?...

  • 【本の情報】 フェアトレードタウン―“誰も置き去りにしない”公正と共生のまちづくり 原田さとみさん

    フェアトレード名古屋ネットワーク代表・原田さとみさん■「ちょっと、楽しく」関心広がる 原田さとみさん 名古屋市中心部のテレビ塔の下で、フェアトレードのファッション雑貨を扱う店を開いている。店には国際認証マーク付きチョコレートや、カンボジアの女性らが編んだ水草のかごバッグ、薬草で染めたスリランカ製の洋服などが並ぶ。名古屋みやげのお菓子にもフェアトレードの砂糖を使っている。 20代のころ地元テレビ局の...

  • 【本の情報】 セクシー田中さん(1) [作]芦原妃名子

    ■精神の解放と自立、テンポよく こんなタイトルだがエロいマンガではない。田中さんは40歳の独身OL。“経理部のAI”と呼ばれるほど仕事はできるが地味で暗く社交性も乏しい。セクシーとは対極にあるようなキャラである。 しかし、その田中さんが実はアスリート並みに引き締まったスタイルの持ち主であることに気づき、興味津々なのが23歳の派遣OL・朱里(あかり)。男子ウケするゆるふわな容姿を武器に絶賛婚活中だが、...

  • 【本の情報】 世界の選挙制度

     米国、ドイツ、オーストラリア、中国、韓国、そして日本を含め10カ国を取り上げた大林啓吾、白水隆編著『世界の選挙制度』(三省堂・2808円)が出た。各国における選挙の特徴や歴史、直近の動向まで、図や写真を盛り込みながら紹介。いわゆる「一票の格差」問題にフランスやイタリアがどう対処したのかも知ることが出来る。http://book.asahi.com/booknews/update/2018051500003.html?ref=rss2from ブック・アサヒ・コム ...

  • 【本の情報】 国体論―菊と星条旗 [著]白井聡

    ■対米従属の精神構造 4月の日米首脳会談から帰った安倍首相は、表情がさえなかった。モリカケ&セクハラ問題もあるが、会談でなにひとつ成果がなかったからだろう。鉄鋼・アルミ製品の輸入制限は適用除外にならず、北朝鮮問題でも蚊帳の外。「ネクタイの柄をそろえ、いっしょにゴルフまでしたのに。こんなにアメリカ様のことを想っているのだから、悪いようにはされないだろうと信じていたのに……」という心の声が聞こえてくるよ...

  • 【本の情報】 Ibasyo〔いばしょ〕―自傷する少女たち“存在の証明” [著]岡原功祐

    ■死ぬためでなく、生きるために 居場所のなさという感覚は微熱のようにかすかではあるけれどもつねに私にまとわりついていた。それが私の中で増幅されることはなかったが、居場所を失い、どこに手を伸ばしていいかも分からずにいる人たちの話に触れて、共鳴しはじめる。 本書は自傷行為を繰り返す女性たちに取材したドキュメンタリーである。木部ちゃん、ゆか、凪(なぎ)ちゃん、さゆり、ミリ。目をそむけたくなる痛ましい状況の...

  • 【本の情報】 評価の経済学 [著]デビッド・ウォーラー、ルパート・ヤンガー

     意識することは少ないが、我々は日々、他者から評価を受け続けている。評価から逃れることはできない。本書はどのように振る舞えば、良い評価を獲得できるのか、維持できるのかについて論じている。 重要なのはどのような評価を、何のために、誰のために築くのかを意識することだという。著者は評価は管理できないものと繰り返す。一方、他者が語る評価を自分が望むような形になるように影響を及ぼすことは可能だと結論づける。...

  • 【本の情報】 盲目的な恋と友情 松井玲奈さん

    愛憎のジェットコースター 恋に溺れる蘭花と、蘭花に深い友情を寄せる留利絵という2人の若い女性が主人公の物語です。蘭花の恋人の不可解な死があり、愛憎が絡み合いながら驚きの結末につながるのですが、どこに連れて行かれるか分からないジェットコースターに乗っているような感じでした。 人を思うということでは同じなのに、ベクトルが違うと、見える世界がまるで違う。愛し過ぎて憎くなる。それを相手にぶつけてしまう。思い...

  • 【本の情報】 (おすすめ)本めぐるおしゃべりよみがえる

     作家・井上ひさし、評論家・松山巖、ノンフィクション作家・井田真木子が、毎月3冊ずつ本を選び、しゃべり合う。1995年から2年間、文芸春秋のPR誌「本の話」で続いた鼎談(ていだん)が本になった。『三人よれば楽しい読書』(西田書店・1728円)。 登場するのは、立花隆『ぼくはこんな本を読んできた』、又吉栄喜『豚の報い』、山口政五郎『鳶頭(かしら)政五郎覚書 とんびの独言(ひとりごと)』など72冊。3...

  • 【本の情報】 大宅壮一賞に森功さん

     第2回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞(日本文学振興会主催)の選考会が9日、東京都内であり、森功さんの「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶(かな)えた総理の欺瞞(ぎまん)」(文芸春秋)に決まった。賞金100万円。 読者投票で最多の票を集めた読者賞には、清武英利さんの「石つぶて 警視庁 二課刑事(でか)の残したもの」(講談社)が選ばれた。賞金50万円。贈呈式は6月中旬、都内で開かれる。http...

  • 【本の情報】 バベる!―自力でビルを建てる男 岡啓輔さん

    岡啓輔さん=東京都港区三田、篠田英美撮影■200年もつ「自分の世界」を造る 岡啓輔さん 東京都港区内の一等地。約5千万円の値引きを実現して1550万円で40平米ほどの土地を購入した(詳しい経緯は著書に記述)。現在、自宅用の地下1階、地上4階の鉄筋コンクリートビルを建設し続けている。 足場を組み、鉄筋や型枠を作り、コンクリートを流し込む作業は、全て自分自身でする前代未聞の「セルフビルド(自力建築)」...

  • 【本の情報】 人体 「あなた自身」について探求を 布施英利

     東京の国立科学博物館で特別展「人体」が、横浜美術館では「ヌード」展が開催中だ。この春は、科学もアートも、人体が流行(はや)りだ。そこで「人体」にまつわる本を取り上げてみたい。 まずは解剖学者・養老孟司の『身体巡礼』。大学の職を離れ自由の身になった養老先生が、ヨーロッパに骸骨やミイラ、それに墓を見に旅した話だ。チェコ・オーストリアなどをめぐる旅だが、続編にイタリア・フランスなどを巡る『骸骨考』(新...

  • 【本の情報】 風俗画―日常へのまなざし [責任編集]高橋明也

    ■感覚全開で絵の一部になって! ここに一冊の画集がある。いきなり解説文を読むのは後廻(あとまわ)しにして、目垢(あか)のつくまで絵を凝視して妄想し、脳から言葉と観念を排して感覚を全開、肉体ごと絵の大海に没して、絵の一部になってもらいたい。 以上の儀式が終われば、解説文に目を落として結構です。解説文にとらわれると、知識の範疇(はんちゅう)からあなたは自由を束縛される。 紹介する画集は『風俗画』である。風...

  • 【本の情報】 問題だらけの女性たち [著]ジャッキー・フレミング 「女子」という呪い [著]雨宮処凛

    ■笑って過去に引導、現代にエール 土俵に女性を上がらせないのは伝統文化だと開き直る相撲協会。前次官のセクハラ行為をなかなか認めなかった財務省。 ムカついていた矢先に、この本を開いたら……。 〈かつて世界には女性が存在していませんでした。/だから歴史の授業で/女性の偉人について習わないのです。/男性は存在し、その多くが天才でした〉 えっ、どういう意味よ。おそるおそる先を読み進むと……。 〈天才たちは、/著名な...

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