RSS

【本の情報】 いま世界の哲学者が考えていること [著]岡本裕一朗





■世界はどうなるか


 20代のころは、「現代思想」や「エピステーメー」などの雑誌を、「流行通信」や「ブルータス」と同じような気分で買い、最新流行の思想をチェックしていた。30年以上も昔のことだ。書店も思想・哲学の棚は熱気を発していた。ニューアカ・ブームなんていわれていた時代だ。

 最近はどうなっているのだろうと思い、岡本裕一朗『いま世界の哲学者が考えていること』を読んでみた。世界の哲学の最前線について、わかりやすく、網羅的に紹介した本である。門外漢に向けたガイドブックだ。

 いやはや、世界は(あるいは人類は)とんでもないことになっています! 人間が置かれている環境がこの数十年で大きく変わり、哲学者たちが考えるべき深刻な課題もたくさん出てきている。

 たとえばIT革命とBT(バイオテクノロジー)革命。IT革命で便利になったことは多いが、世の中が監視社会化するなどの問題も抱える。人工知能が進化して人間の能力を超えたとき、人類は、そして世界はどうなるのか。

 BTによって医療は急速に進歩している。ぼくらの寿命は延び続け、不老不死へと近づいている。「生」と「死」、「人間」という概念そのものが変更を強いられている。

 そのほか、資本主義は21世紀でも通用するか、宗教はどうなるのか、地球環境はどうなるのか、考えるべきことがたくさんある。

 本書を閉じて思った。日本の哲学者たちも社会の諸問題について、積極的に発言して欲しい。メディアも哲学者の意見をもっと紹介して欲しい。彼らの意見は、ぼくらが考える補助線になるのだから。






http://book.asahi.com/reviews/column/2016111500001.html?ref=rss2


from ブック・アサヒ・コム 新着記事 http://book.asahi.com/rss/rss2.rdf

スポンサーサイト
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
▼このエントリーにコメントを残す