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【本の情報】 金子兜太さん死去 戦後代表する俳人 98歳








金子兜太さん





 戦後日本を代表する俳人で、前衛俳句運動の中心となり、俳句の可能性を大きく広げた朝日俳壇選者の金子兜太(かねこ・とうた)さんが20日、急性呼吸促迫症候群で死去した。98歳だった。

 埼玉県生まれ。旧制水戸高校時代に作句を始め、「寒雷(かんらい)」主宰の加藤楸邨(しゅうそん)に師事した。東京帝国大経済学部を卒業後、日本銀行に入行。海軍士官として南洋トラック島で終戦を迎え、後に復職した。戦後は社会的な題材を詠む「社会性俳句」に取り組み、前衛俳句運動の中心となるなど、戦後の俳句運動の旗振り役を務めた。季語の重要性は認めつつ、季語のない無季の句も積極的に詠み、時に有季定型の伝統派と激しい論戦を繰り広げた。俳句をより多くの人に開かれたものにし、「お~いお茶 新俳句大賞」など軽くカジュアルな新潮流も楽しんだ。小林一茶や種田山頭火の研究でも知られ、再評価の機運を盛り上げた。

 代表句に、「銀行員等(ら)朝より螢光す烏賊(いか)のごとく」「彎曲(わんきょく)し火傷し爆心地のマラソン」など。「おおかみに螢が一つ付いていた」など、故郷・秩父の骨太な風土に根ざした句も多い。62年に同人誌「海程(かいてい)」を創刊し、後に主宰に。高齢を理由に2018年9月での終刊を決めていた。

 反戦の思いから同時代への発言を続け、晩年は故郷や平和への思いを多くの句に託した。安全保障関連法案への反対が広がった15年には、「アベ政治を許さない」を揮毫(きごう)した。

 1983年に現代俳句協会会長となり、2000年から同協会名誉会長。02年に蛇笏賞、03年に日本芸術院賞、05年にスウェーデンのチカダ賞。同年に日本芸術院会員。08年に文化功労者、10年に菊池寛賞。戦後一貫して現代俳句を牽引(けんいん)した功績で15年度の朝日賞。朝日俳壇の選者には87年に就任、18年1月から体調不良のため休んでいた。








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