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【本の情報】 読書面の読み方・楽しみ方 斎藤美奈子×吉村千彰

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文芸評論家の斎藤美奈子さんと朝日新聞の吉村千彰編集委員





吉村千彰編集委員





吉村千彰編集委員





斎藤美奈子さん





斎藤美奈子さん





文芸評論家の斎藤美奈子さんと、朝日新聞の吉村千彰編集委員





 2月17・18日に行われた「築地本マルシェ」。出版各社厳選した本が展示販売されたほか、読書が楽しくなる13のプログラムが実施された。そのプログラムの一つとして、文芸評論家の斎藤美奈子さんと、朝日新聞の吉村千彰編集委員が「読書面の読み方・楽しみ方」をテーマに話し合った。



吉村 新聞の読書面に取り上げられる本はどのように選ばれるのか、簡単に説明します。朝日新聞では書評委員会制度をとっており、斎藤美奈子さん他、20人の書評委員がいらっしゃいます。委員会は2週間に一度行われ、委員21人の方に朝日新聞社に来ていただき、100冊の本から選んでいただきます。

 編集部には毎日のようにいろんな出版社から本が送られてきます。編集長の主な仕事はその仕分けです。2週間でだいたい300冊。そこから読書面のスタッフ全員で書評委員会に掛ける100冊ほどに絞り込みます。委員会では100冊を並べ、そこから委員の方3~4冊、多い方では10冊程度選んでいただきます。



斎藤 競りですね、競り。



吉村 そうなんです。当然、書評したい本がバッティングされる場合があります。書評委員には、選書の際、どうしても書評したい本に花丸を、これなら書評できるなという本に二重丸を、書いてみたいなという本には丸印をつけていただきます。そのリストをつけ合わせて花丸、二重丸、丸の順で優先して本を落札してもらいます。



斎藤 これが意外に賭けなんです。書評委員会を欠席した人は優先順位が低くなるんですが、参加した委員の二重丸が3個も4個も並んでいても、欠席した方が花丸で持っていかれる事もあります。



吉村 出席者は実際に本を見ますが、欠席者は実物を見ずに山勘で印をつけることになる。そのため、10人くらいの方がただの丸印で、休まれた方が花丸を付けられる、ということがあります。選考を行った上で本を持ち帰り、その次の委員会までにだいたい本の内容を見てきていただいて、書評する、しないを決めます。「とてもいい本だけど、私では無理」と譲られることもありますね。



斎藤 「ひどい本だったのでやめます」という事もあります。



吉村 そうですね。逆に、修士論文をまとめたような固い本でも素晴らしい内容のものもあります。



斎藤 本は読んで見ないとわからない。ですが、みなさん、朝日新聞の書評は伏魔殿だと思っている節がある。「載る載らないの基準はどこにあるんですか」「どうして、あの本は載らなかったんでしょうか」とか、出版社や著者から疑心暗鬼の目で見られている。すごく恣意的に選んでいるんじゃないかと思われているところがあります。でも、意外とフェアなんですよね。



吉村 そうなんです。公平です。出版社の方から「この本をこの方に書評して欲しいな」と耳打ちされることはなきにしもあらずですが、こういう制度を取っているので、どなたが本を持って帰るかスタッフもわからないんです。



斎藤 ワイロが効かないですよね。



■「朝日新聞の書評委員には“日本の宝”のような人がいる」(斎藤)



吉村 新聞で書評委員会制度を採っているのは朝日と読売新聞社だけ。毎日新聞は書評委員が50人くらいいらっしゃいますが、一堂に介して会議を行うということはしていません。日経新聞はスタッフが本を決め、筆者を指名してお願いする制度です。書評委員会というのは、良くも悪くも文化的なサロンというところがありますよね。



斎藤 まぁね(笑)。



吉村 朝日新聞の書評委員の方々は斎藤さんのような書評がご専門の批評家、経済学や政治学、科学者、哲学者など学者系の方、画家……。



斎藤 今の書評委員には日本の宝みたいな人がいるのね。細野晴臣さん、横尾忠則さん、柄谷行人さん、保阪正康さんでしょ。そんな重鎮に書評を書かせる! 書評ってもともと若手の仕事なんですよ。あんまり得にならないから(笑)。どうなんですか、それは?



吉村 朝日新聞の読者には柄谷行人さんのようなハイレベルな言葉を好まれる方たちがいます。そういうニーズに応えたいという思いがあります。



斎藤 それは権威に頼っているということ?



吉村 ふふふふ。もちろんお願いするということはある種、頼るということなので、そこは頼りつつという感じですね。横尾忠則さんは画評といって文字のない絵だけの評を2度くらいされたことがあります。その時は読書面をカラーにしました。そういう遊びもしつつ、宝の人たちとおつきあいさせていただいています。



斎藤 書評委員会がもう一つフェアなのは、書評委員の著書は取り上げないんですよ。どんなに代表作、名著が出ても。この理不尽! そういう意味でもずっと書評委員であり続けるということは自分の作品が載らない、ということなんです。



吉村 そうなんですよ。保阪正康さんはじめ、たくさんご著書を出されているので、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。朝日新聞の書評欄はカッコよく言うと、その年に出版された素晴らしい本を示す印にもなるという自負があります。時代の足跡を残す役割もある。そこに保阪さんの本が載らないのはもったいないのですが。



■「本探しは借金取りに追われている状況と同じです」(斎藤)



吉村 本を選ぶ基準はいろいろだと思いますが、雑誌などではどうですか。



斎藤 書評には2種類あります。1つが「お仕着せ書評」と私は呼んでるんですが、この本の書評をと決め打ちで依頼が来る。週刊誌はだいたいそれが多い。文春、新潮、現代、読書人とか。文芸誌もそうです。安請け合いすると大変なんです。届いたら分厚くて、「こんなんだったらやりませんでした」ってこともある。内容をパラパラ見ても難しそうで、「よし明日読もう」と思っていると〆切当日に。編集者から「ご進捗状況はいかがでしょうか」と連絡がくるわけです。そう言われても読んでないからなんとも言えないので、厚い本であれば「力作ですよね」、薄ければ「ライト感覚」などと適当なことを言ってごまかします。編集者もそう言われると「読んでないな」とわかっていると思う。そこから読むわけですが、面白いとは限らないので、そういう本に当たった時は泣きます。



吉村 分厚い本が最後まで期待を持たされて面白くなかったらどうするんですか。



斎藤 読者が読んで、甘からず辛からず、褒めているのかけなしているのか、何が言いたいのかどんな本なんだかわからない書評はそういう場合です、多分(笑)。もう1つを「自由選択書評」と言ってますが、自分で選ぶ場合です。連載の仕事にはそれが多いですね。本を選ぶところからやります。担当者が「今月の本は決まりましたでしょうか」と聞いてくるわけですが、決めるまでが大変なんです。自由選択書評の場合は、本を決めるまでで仕事の半分が終わりです。



吉村 どのように決めるのですか。



斎藤 本屋さんへ行くところから始まる。書評は本を読んで書評することより、書くために読むことが多い。書店に行って何かを決めなきゃいけない。一時期は書店に行くと吐き気がした。いい本を見つけるまでが勝負ですね。私はいつも本を探している状況で、これは借金取りに追われている状況と同じですね(笑)。だから、本が決まってしまえば「良かった! じゃ一杯飲むかな」という感じ、ですね。



■「みなさんに斎藤さんみたいなことをされると雑誌は作れません」(吉村)



吉村 斎藤さんは今、何誌で書評を担当されているんですか。



斎藤 「週刊朝日」で書評コラム、女性誌の連載が1本。それは新刊本と関連書籍を2冊選ぶ。PR誌「ちくま」ではテーマを決めて3冊を取り上げます。それが毎月回ってくる仕事ですね。



吉村 〆切がキツイところやそうでないところはありますか。



斎藤 私は人の原稿が遅れているという話が一番好きなんです。私だけじゃないと(笑)。私は昔編集者でしたので、デッドラインは若干わかる。公式の〆切が私の「第一次デッドライン」で、そこで入れられたら自分を褒めたい。けど、それはないですね。「週刊朝日」は火曜日が〆切、水曜日が校了で翌週火曜日に載る。火曜の午後3時、4時までに入れればいいんですが、火曜日の朝に本が決まってないという状態がだいたい半分くらい。薄氷を踏むようです。編集者とのチキンレースみたいなものです。今の担当者はゆったりとした方で助かってます。〆切のプロなので、毎週火曜日の朝に「今日は締切日です。よろしくお願いします」と連絡がきます。それで「今日の本はこれでいかがでしょうか」とやりとりするのが朝10時。



吉村 それはすごい。みんなに斎藤さんみたいなことをされると雑誌は作れませんから。原稿をもらってすぐに印刷できるわけではありません。そこから組んで校閲者も見て、再校してゲラ出して、といくつも過程があるんです。



斎藤 物書きは意外といい加減なんですよ。朝日の書評でも実際に紙面になるまで4、5回のやり取りをします。校閲から戻ってくると、固有名詞が違う、数字や「てにをは」が違っている。プロの目でみると、ものすごくチェックが入るんですよね。



吉村 書評は元の本があるので内容から大きく外れたり、引用した箇所の間違いはあってはならない。そこのチェックはものすごくやっています。書き写す時にちょこっと間違えることは多々あることなので、そこを直したり、朝日新聞の表記に統一したり。ご自分の考えか本の考えかがわからない場合は、どちらの意見かを明確にしていただく。



斎藤 「うるさいなあ」と毒づきつつも、ミスを指摘してもらえるのは本当にありがたい。あの作業がクオリティなんですよね。



吉村 そうです。朝日新聞の書評の〆切は、原則、前の週の金曜日。翌週の月曜日から作業して土曜日に校了。日曜日に皆さんにお届けすることになります。



■「『ご進捗状況はいかがですか』と言われても」(斎藤)



斎藤 10日前が〆切なんて、守っている書評委員っているんですか。



吉村 います(笑)。本当にありがたいですよ。ごくたまにですが、ぎりぎりまで原稿が入ってないことがあります。恐ろしいんです。土曜日は編集長が一人で出てきて出来上がった紙面を確認して降版ボタンを押すという作業です。金曜日の夕方に原稿が入ってなくて一部白くなっている時に〆切を守って入れてくださる方がいると、最悪の場合、こちらを掲載させてもらおうと。実際助かった

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