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【本の情報】 残酷さ内に秘めた、不器用な関係 川上未映子新刊








川上未映子さん





 描かれる女の人はみな寂しさを抱えている。川上未映子さんの『ウィステリアと三人の女たち』(新潮社)は四つの物語を収めた短編集だ。不器用で、残酷さを内に秘めた女性同士の関係を描いた。



 解体中の空き家に忍び込んだ「わたし」が、暗闇で夜を過ごす表題作。部屋に横たわり、この家に暮らしていた老女の人生に思いをはせる。老女は30代、外国人教師と塾を始める。恋愛経験はなく、初めて恋心を抱いたのが同性の外国人教師だった。何事もない日々は突然、終わりを迎える。老女の物語は、主人公の見た夢か妄想か現実か。

 「がれきを描写したいというのがはじまりでした。3月にひっそりと死んでいく人たちを書きたいという気持ちもあった」。東日本大震災を想起する言葉だが、「子どものときから家がつぶされるのをよく見てきました」と川上さんは続ける。「さっきまで人が暮らしていたり、思い出があったりするのに次の日は何もない、ということがある。それを誰も説明してくれない」。がれき、遺品、そういったものが気になるのだという。

 ウィステリアとは老女の名前だ。「きみの本当の名前はウィステリアなんじゃないかと思ったんだ」と外国人教師に言われ、若き日の老女は胸が高まる。日本人なのに、ウィステリア。「決定的に消えない跡を残すのが、名前を付けることでした。名前を与え直すというのは女性にとっては象徴的な行為だと思う」

 4編はいずれも女性が女性に思いを寄せる。川上さんは「早稲田文学増刊女性号」の責任編集を手がけた。小説の執筆に影響を受けている、と感じている。「男性が男性であるつらさや苦しさは想像でしか書けない。人間としては書けるけれど、一生確信は持てないと思う。女性を書くことが多くなっているのは、私に女性の情報が多いから。人間関係の極まった状態を書きたい。女性だとぎりぎりの臨界点に迫れるような気がする」

(中村真理子)








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