・【本の情報】 ル・グウィンの世界 日常に冒険見つける魔法の眼 小谷真理 ・【本の情報】 近代日本一五〇年 [著]山本義隆 ・【本の情報】 核戦争の瀬戸際で [著]ウィリアム・J・ペリー ・【本の情報】 ラテンアメリカ五〇〇年―歴史のトルソー [著]清水透 ・【本の情報】 東直子が薦める文庫この新刊! ▼もっと見る

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カテゴリ:新刊のエントリー一覧

  • 【本の情報】 ル・グウィンの世界 日常に冒険見つける魔法の眼 小谷真理

     北のほうからとてつもない寒気団がやってきた冬のさなか、アーシュラ・K・ル・グウィンの訃報(ふほう)を聞いた。今年は〈ゲド戦記〉第1巻『影との戦い』(1968年)がアメリカで刊行されてから、ちょうど半世紀。いっぷう変わったファンタジーだった。 舞台は、群島からなる異世界アースシー。のちに大魔法使いとなるゲドの少年期を描いている。魔法の才能に恵まれていたゲドは自信過剰なあまり言いつけに背き、禁断の魔...

  • 【本の情報】 近代日本一五〇年 [著]山本義隆

    ■国策大学との協働 石牟礼道子さんが亡くなった。ノーベル文学賞には彼女こそふさわしいと考えていたので残念だ。そんな思いを抱えて、『近代日本一五〇年』を読む。石牟礼さんが『苦海浄土』で描いた水俣病は、近代日本を象徴する事件なのだと痛感する。 著者の山本義隆は元東大全共闘の代表。大学アカデミズムとは距離を置き、予備校講師をしながら『磁力と重力の発見』など科学史に関する重要な本を書いてきた。 副題は「科学技...

  • 【本の情報】 核戦争の瀬戸際で [著]ウィリアム・J・ペリー

    ■対話と抑止を両立させる意義 まるで、けんかにはやる子どもたちを諭す老教師の光景だった。90年代末、米議会で北朝鮮政策を語ったウィリアム・ペリー氏の姿を私は今も思いだす。 脅しに屈するのか。なぜ敵と対話するのか。いらだつ議員たちの問いに、元国防長官は噛(か)んで含めるように、対話と抑止を両立させる意義を説いた。 北朝鮮を孤立させれば崩壊すると信じるのは希望的な観測に過ぎない。米軍の態勢を維持しつつ、相...

  • 【本の情報】 ラテンアメリカ五〇〇年―歴史のトルソー [著]清水透

    ■錯綜した世界を分類して考察 私がラテンアメリカの世界に関心をもったのは、文学を通してである。そこには、マルケス(コロンビア)、ボルヘス(アルゼンチン)、そしてオクタビオ・パス(メキシコ)という、まるで異質な世界があった。しかも、それらは同一の基盤にある。なぜ、いかにして、そうなのか。私はその後、中南米の各地に行く機会があったし本も数多く読んだが、実はよくわからないままでいた。本書は、長年私が感じて...

  • 【本の情報】 東直子が薦める文庫この新刊!

     (1)『写真で辿る折口信夫の古代』 芳賀日出男著 角川ソフィア文庫 1685円 (2)『恋する狐』 折口真喜子著 光文社時代小説文庫 626円 (3)『奇跡の人』 原田マハ著 双葉文庫 780円 ◇ 過ぎ去った時代の人の心に寄り添う喜びを感じることのできる3冊を紹介したい。 折口信夫は民俗学者として知られているが、歌人の釈迢空として「人も 馬も 道ゆきつかれ死にゝけり。旅寝かさなるほどのかそけさ」など...